こんにちは。S&Tの上村です。年末で様々な業種がお忙しいようで、私の方も額装などが全く出来上がってこず困っています。(⌒-⌒; )

ま、そんな事で気を揉まずゆったりと余裕の態度でいるのが大人なんでしょうね。(笑)

仕事が滞っているのでなんとなく作品の裏側を覗いていたところそういえばジックリと作品の裏側を見るなんてことはあまりないなぁとぼんやりと考えていました。暇人ですね。(笑)

皆さんは作品の裏側をじっくりと見たことがありますか?

実は裏側も面白いんですよ。特に名画と呼ばれるものの裏側は面白いんですが、すごい名画の裏側なんてあまり見る機会がありませんよね。

例えばこれ。

「ジンジャーブレッド」(Lebkuchenbild)/ パウル・クレー

なんかペタペタいっぱい貼ってあるのがわかりますよね。このシールで作品の来歴がわかるんです。これを見ることで何年にどこの美術館にあったとかが一目でわかるので当時の時代背景などと合わせてこの作品がどういう経路を辿って現在のところにあるかがわかるんですね。

ピカソの「サン・ラファエルの窓の前の静物」なんてものすごくドラマティックですよ。もちろんたくさんのシールがペタペタと貼ってあるのですが、パウル・ローゼンベルクさんが自分の所有している証として貼ってあった『330』なんていうラベルもみられます。

このラベルによるとこの作品は1939年から1946年までこの絵はアメリカにあったということがわかります。つまりフランスでのナチスによる略奪の時期なんです。ところがナチスのERRの略奪リストにはこの作品が2点重複して記録されているんです。

『ん?』という感じですよね。

この押収された2点の作品は1940年にフランスの別々のコレクターから押収されたものなんだそうですよ。

ということは、本物は当時アメリカにあったはずなので、この押収された2点は偽物なんだということがわかります。

こんな風に絵の裏側を見ただけでも色々な発見があるんですよ。\(^o^)/

そして歴史を知ることは、その作品の魅力を何倍にもします。

皆さんもご自分の持っている絵の裏側を見てみて下さい。この絵にこんな物語が隠れていたなんて!と新たな発見があるかもしれませんね。

アートは奥が深い!