こんにちは。S&Tの上村です。ドイツのヴォルフスブルク美術館でこんなことが最近あったのを皆さんご存知でしょうか?

ダミアン・ハーストのインスタレーションで数百匹のハエが死んだとして、動物愛護団体PETAが苦情を訴えたんです。その結果、市の獣医局が美術館に口頭で注意を行い、その後作品は撤去されたそうです。😓

ん〜。呆れて物も言えません。

このハーストの作品が展示されていたのは7月10日まで開催されていた「Macht! Licht!(パワー! 光!)」展。現代生活のありとあらゆるところに存在する人工的な光がテーマで、特に人工光の環境への悪影響について考えようという内容でした。

撤去されたハーストの作品『A Hundred Years(100年)』は1990年に発表された作品を基にしたもので、半分に仕切られたガラスケースが使われています。ケースの片側で羽化したハエは、殺虫灯に引き寄せられるように仕切りの穴をくぐり抜け、接触して焼け死にます。このサイクルは、展示終了まで続く予定でした。ハースト自身はこの作品を「箱の中のライフサイクル」と説明しています。

問題となったハーストのインスタレーション『A Hundred Years』

発表当時の作品『A Thousand Years(1千年)』はもう少し過激で、殺虫灯の下に置かれた血まみれの牛の頭にハエが群がっていました。そのため、世界的なキュレーターのハンス・ウルリッヒ・オブリストに「危険で恐ろしい」作品だと評されました。💦

ダミアン・ハーストらしい過激さで中々面白いですけどね。

それが撤去されたなんて。

ドイツのカッセルで開催中の「ドクメンタ」では、ある参加作家の作品が反ユダヤ的であるという理由から撤去されました。開催前から激論を巻き起こしてきた今年のドクメンタですが、ついに総監督が辞任する事態になっています。😰

2019年の「あいちトリエンナーレ」では開幕して即座に、慰安婦問題を想起させる少女像へ批判が殺到し、展示を中止したニュースが大きな話題となったのは記憶に新しいところですよね。

その問題を彷彿とさせるような出来事が世界中で次々に起きています。表現の自由と検閲の間で揺れるアート界は今後どうなっちゃうんでしょうかね。

というわけで本日の1品はダミアン・ハーストと共にYBAsを盛り上げたマーカス・ハーヴェイの作品から。彼の作品はハーストよりさらに過激です。(笑)

Skull, 2012 / Marcus Harvey
Oil on canvas on MDF
100 x 100 x 5 cm

昨日も彼の作品をご覧いただきながらお客様と色々話をしながら楽しんで頂きました。彼の作品の面白さも十分理解できたようですよ。🤗

まずは実物を見ないと。

https://sandtart.net/news/marcus-harvey(マーカス・ハーヴェイ)/

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