こんにちは。S&Tの上村です。現在第58回ヴェネチア・ビエンナーレが開催されています。このビエンナーレの100年を超える歴史の中で今回初めて参加アーティストの男女比が同等となり注目を集めています。100年以上の歴史の中で初めてって、少し驚きですよね。

今から10年ほど前にドイツの超メジャーな画家のゲオルグ・バゼリッツはアート界のトップに女性アーティストがいない理由をこう述べました。

「なぜなら、女性は絵がうまくない。それは事実だ」と。

そうなんです。アート界にも性差別は根強くあるんです。(⌒-⌒; )

だからこそ今回の男女アーティスト比が同等になったことには意味があります。そして、そこには女性アーティスト達が、とても長い間凝り固まった男女差別と戦ってきた歴史があるんですね。そんな女性アーティスト達を心から賞賛したいですね。バゼリッツは変わらないですが、アート界は今変わろうとしています。

そんな女性アーティストで注目の方をご紹介したいと思います。

まずはオーストラリアの作家でアンジェリカ・メシティです。

アンジェリカ・メシティ「ASSEMBLY」

今回のビエンナーレで発表されている本作は人々が一致団結する必要性を訴えているんだそうです。民主主義の崩壊や衰退、また、自分と違う人々に対する不寛容といった現代社会の闇を、詩と音楽を象徴的に用いながら、叙情的にあぶり出しています。

彼女は作品を通じて行き場を失った人たちへの共感覚を表現しています。

次にイギリスのキャシー・ウィルクスです。

Cathy Wilkes: British Pavilion artist 2019

ちょうど最近アメリカで妊娠中絶の話題がニュースを賑わせていますが、彼女は2007年に「Pro Choice(=妊娠中絶をするかどうかは女性の権利という主張)」というグループ展に参加しています。

喪失感や答えのないもどかしさ、そして距離感といった誰もが抱く感覚が彼女の作品には息づいています。

とても面白い作家で、個人的に私は好きです。

まだまだご紹介したいところですが本日はここまで。