おはようございます。S&Tの上村です。

11月8日、フランスの裁判所が米国の現代美術家ジェフ・クーンズ(Jeff Koons)氏

がフランス服飾ブランドの広告を盗作したと認め、クーンズ氏とその会社、

問題の作品を展示した美術館に損害賠償の支払いを命じました。

ここでジェフ・クーンズ(Jeff Koons)とは誰?という方のためにおさらいです。

彼は1955年アメリカ、ペンシルベニア生まれです。

10代の頃はダリを崇拝していたそうです。妙に納得です。

77年からウォール・ストリートの仲買人として生計を立てながら

アーティスト活動を開始します。

彼はウサギのバルーン・アートをはじめ大量生産品や著名人のポートレイトを

ステンレススチールで再現した「彫像」シリーズで世に広く認知されることになりました。

その後『凡庸』シリーズなどを発表し美術の文脈とアメリカ、大衆文化、

セレブリティーなどのテーマを結びつけ、作品におけるキッチュさを推し進めていきます。

また、92年に「ドクメンタ5」(カッセル)で発表した《パピー》では高さ約12メートルの

像に7万本もの花を植え込むなどのパブリック・アートも手がけています。

2007年にはザザビーズのオークションで、彼の『ハンギング・ハート(Hanging Heart)』

が2360万ドル(約3億)で競り落とされました。

これは当時、存命の美術家の作品につけられた最高額でした。

2014年のホイットニー美術館で開催された回顧展では、

同館過去最多の動員数(当時)を記録するなど、華々しい活躍の現代アーティストです。

今回の訴訟は、広告クリエイターのフランク・ダビドビッチ(Franck Davidovici)氏が

彼が1988年に手掛けた作品「Fait d’Hiver」について、自身が1980年代半ばに制作した

服飾ブランドのナフナフ(Naf-Naf)の広告の盗作であると主張し、

訴訟に踏み切ったものでした。


<問題の作品>

この作品には4エディションあり、そのうちの1点は米競売大手クリスティーズ(Christie’s)が

ニューヨークで開催した競売で約470万ドル(約5億3500万円)で落札されています!!!

どうするんでしょうね?

裁判所はクーンズ氏とその会社、ポンピドー・センターに対し、

損害賠償として計13万5000ユーロ(約1750万円)の支払いを命じました。

さらに、彼のウェブサイト上で問題のブタを複製したとして

ジェフ・クーンズLLC(Jeff Koons LLC)に1万1000ユーロ(約142万円)、

問題の作品を掲載した書籍を販売したとして仏出版社フラマリオン(Flammarion)に

2000ユーロ(約26万円)の支払いを命じました。

しかし、原告が求めていた作品の押収は認めませんでした。

なんかその何倍もジェフ・クーンズは稼いでいるような気がしますね。(^_^;)

きっと彼にとっては大した金額じゃないんだろうと想像できます。笑

そんな彼ですが、実はこれまでも何度か著作権侵害で訴えられています。

そして、盗作と認定されたのも初めてではないんですね。(⌒-⌒; )

賛否両論のあるジェフ・クーンズですが、良くも悪くもアート史に名前を

残すことでしょう。

こういう話題が日本ではひっそりとしか報道されないのがちょっと残念です。

それが日本でのアートのポジションなんでしょうね。

最近テレビでよく見るアートのニュースというと、草間彌生の盗作展示会の話題ばかり

ですもんね。

長くなりましたが、このニュースで皆さんが色々考えるきっかけになれば嬉しいです。

それでは今日も良い1日を。