こんにちはS&Tの上村です。昨日は朝から大忙し。テンションが上がったり下がったりで疲れました。😅
ちなみに私の朝は午前3時ごろのことなんですよ。(笑)
さて、皆さんは以前ブログでも書いた一般家庭のキッチンのコンロの上に掛けられていた絵が実はとんでもない作品だったという話は覚えているでしょうか?
実はこの絵はチマブーエがキリストの伝説的な場面を描いた8つの連作のうちの1つでした。そして、他の7つに関してはニューヨークのフリック・コレクションとロンドンのナショナル・ギャラリーがそのうちの1点をそれぞれ所蔵していることがわかっていますが、残りの5点は行方不明のままなんです。
最初この絵の所有者は家の整理のために捨てようと思っていたそうです。しかし、気まぐれで試しに鑑定に出してみたら40万ユーロ(現在の為替で約6500万円)という結果に。再鑑定を別の業者に依頼したところ本物と鑑定されました。
そして、絵画は2019年にオークションに出品され2400万ユーロ(現在の為替で約39億円)で競り落とされました。
これはオークションに出品された中世の絵画としては史上最高額、オールドマスターの作品としては8番目に高い落札額でした。
というのが一連の顛末。
しかし、その後が面白いんです。
残念ながら元の所有者であった女性はオークションの2日後に亡くなってしまいます。フランス政府は『嘲笑されるキリスト』をフランスに留め置くため本作を国宝に指定し、一時的な輸出禁止措置を取りました。
素晴らしいことですよね。日本政府も見習うべきです。
そして、ついにルーヴル美術館が購入資金を工面し今回無事に購入に至ったわけです。
その期間なんと30ヶ月!!!!
ルーヴル美術館は、本作購入のための資金調達の詳細を明かしていませんが、どうやら後援者に寄付金の免税を提案し「異例の動員」をかけたようです。
文化財に対してのその国の考え方がわかるエピソードですよね。
日本ではきっとこうはいかなかったでしょう。
実に素晴らしいエピソードですね。
『嘲笑されるキリスト』は2025年に開催される展覧会のメイン作品になる予定だそうです。
そんなエピソードも知っていて見に行くとまた面白いですよね。そして、それが普通の家庭のキッチンに掛けられていたのを想像しちゃうとクスッとなっちゃうかもしれませんね。
芸術に対してもう少し日本の政治家は勉強するべきだろうと私は思います。あくまで私見です。
今日はフランスからそんな素敵なエピソードでした。
それでは皆さん本日も良いI日を。