こんにちは。S&Tの上村です。ゴールデンウィークもいよいよ最終日ですね。湯浅克俊展『時間の鏡』まだの方は生憎の雨ですがぜひ足を運んで下さいね。
残すところオープンの日があと3日。今回のタイトル『時間の鏡』についてご本人の思いを掲載しておきますね。
湯浅克俊 個展「時間の鏡」
『普段私は長い時間をかけて版木を彫り、ばれんを使って紙に摺って作品を制作しています。一般的に木版画は彫刻刀による彫りあとを活かした表現や、多色摺りによる色の鮮やかさが魅力と言われています。しかし私は木版画とはイメージを創出するためのメディア(情報伝達のための媒体)であると考え、様々なイメージを作り出してきました。
昨年の夏、スイス人アーティストでハイパーリアリズムの先駆者であるFranz Gertsch(フランツ・ゲルチュ)の名を関した美術館で個展をする機会に恵まれたのですが、そのFranz Gertschさんが12月に亡くなられたことを聞きました。オープニングに参加するため美術館を訪れたときはお会いすることはできず、もうすでに体調が悪かったのかもしれません。彼はペインティングだけでなく大きな木版画も制作していて越前の和紙に摺っています。写実的な表現、木版画、和紙と私との共通点が多いことから勝手に親近感を感じていました。そんな彼の過去のインタビュー記事を読んでいたらこのようなことが書かれていました”nature is a mirror of time to which everything between birth and death…”。自然は生と死の間のすべての時間を映し出す鏡である。この文章を読んだ時、制作においても似たようなことが言えるのではないかと思いました。作品とは時間を映し出す鏡である。作品をいくら凝視しても費やされた時間を見ることはできませんが、確かに作品は膨大な時間を内包しています。線と線の間には私が考え、悩み、彫刻刀で彫ったすべての時間があるのです。』〜湯浅 克俊
私と湯浅さんの関係も長い時間かけて築かれたものです。初めて彼と会ったのも実はFranz Gertsch(フランツ・ゲルチュ)の作品を探しているときのことでした。
日本にもこんな作家がいるのだと知りご本人のアトリエを訪れたのは今も鮮明に覚えています。当時、湯浅さんはFranz Gertsch(フランツ・ゲルチュ)のことは知りませんでした。
しかし、昨年Franz Gertsch(フランツ・ゲルチュ)美術館での個展を経て、皆さんもご存知の通り昨年12月にFranz Gertsch(フランツ・ゲルチュ)さんは残念ながらお亡くなりになりました。
なんだか不思議なご縁を感じる今回の個展。
湯浅さんも私も自然と力が入った素晴らしい個展となっております。
中々山形でこういった個展を見ることも少ないと思いますが、どこの個展にも負けない素晴らしい展示が現在開催されていることはいらっしゃった方はよくわかると思います。
一度いらっしゃった方もまだみていない方も何度でも足を運んで下さいね。
私とゆっくりとアート談義でもしながら作品鑑賞して下さい。
本日も会場にてお待ちしております。
場所、時間などわからないことあれば遠慮なくお問い合わせ下さいね。😄
それでは皆さん本日も良い1日を。