こんにちは。S&Tの上村です。昨日は月曜日で強めの雨も降っていたのでほとんどお客さんもいらっしゃらないだろうとまったり過ごしていました。
そんな中一人のご年配のお客様が。
ギャラリーに入ってくるなり『おっ！これはいいな。』と一言。
一通り見学された後で私の方を振り返り『これ、俺の親父とそっくりだ！』と嬉しそうに話しかけてきました。
『そうなんですか？』と聞くとニコニコと『そっくりだ。』とだけ返ってきました。
そして、ベンチに腰掛けながらずっとその絵の前でコーヒーを飲んでいました。
時折、立ち上がって絵の前に近づいて舐めるようにその絵を眺め、私に向かって『そっくりなんだよなぁ』と嬉しそうに微笑みます。
そして、また座ってじっと絵を見ています。
その後ろ姿を見ていると、きっとこの人は絵を通じてお父さんと話をしているんだろうなと思うと何だか涙が…。😭
コーヒーを飲み終わるまでずっとそんな風に絵を見ていました。
飲み終わり立ち上がりもう一度その絵を眺め最後に呟くように一言。
『この絵のモデルは絶対オヤジだな。これいつまで？また来るよ。』とおっしゃって帰られました。
もうその人のお父さんは亡くなっているだろうと思われる年齢ですし、その絵は石川君の作品ですのでその人のお父さんのはずはありません。しかし、その人にとってはオヤジさんなんでしょうね。
その人にとって思いがけず久しぶりのお父さんとの会話だったのかもしれませんね。😢
最後まで嬉しそうに眺めていたのが印象的でした。
石川君はもしかしたらとんでもない作品を今回作り上げたのかもしれません。
なんの変哲もないおじさんの絵ですが、そんな人々の感情を揺さぶる作品が出来上がったんですから。画像では絶対に伝わらないものがあります。ぜひ実物を見にきて下さいね。
油彩
石川君にそんなことがあったことを話すと冷静に『人間の姿を描いた作品は、やはり鑑賞者と関係性を築きやすいのかもしれません。ぼくがぼくの絵と培った関係性を鑑賞者が別の意思で関係性をつくる。 そのおじいさんが「父だ」というのなら、その人の築きたい鑑賞者の関係性なのかもしれません』と返ってきました。
泣けよ！（笑）
昨日はその後もいろいろな出来事が。長くなるので本日はここまで。
中身の濃い1日でした。
今回の3人の展示は何だかものすごいことになってます。ここから何かが始まるかもしれません。
『TRONIES〜3人の肖像画〜』は火、水、木はお休みです。皆さんお間違えのないように。
それでは皆さん本日も良い1日を。
