こんにちは。S&Tの上村です。先日終了したばかりのアートバゼルですが、意外に知られていないのがこんな賞があるんです。それが、バーゼルに本社を置く保険会社バロワーズ・ホールディングスが主催するバロワーズ賞です。

これは、アートバゼル内のステートメント部門で発表したアーティストを対象としています。第21回目となる今年の受賞者はジュリア・チェンチとシンイー・チョンの2名。両者には賞金3万スイスフラン(約330万円)が贈呈されました。副賞としてバロワーズ・ホールディングスが両者の作品を購入し、ベルリン国立美術館群とルクセンブルク・ジャン大公現代美術館[MUDAM]に寄贈するんだそうです。受賞者が両方とも女性なのも最近っぽいですね。

では両者をちょっと見てみましょう。

Giulia Cenci, 1988, lives in Amsterdam, Netherlands

チェンチは1988年イタリア、コルトーナ生まれで、現在はアムステルダムを拠点に活動しています。彼女は今回のバゼルで断片的な形状の不気味な彫刻群からなる没入型のインスタレーションを発表しています。

Giulia Cenci, Installation view ©︎ SpazioA

色々考えさせられ、時間を忘れて見入ってしまいそうな作品ですね。

Xinyi Cheng, 1989, lives in Paris, France

チョンは1989年湖北省武漢に生まれで、現在は上海とパリを拠点に活動しています。

彼女は心理学、社会的関係、個人的魅力といった要素を持ち込みながら、ポートレイトというジャンルを探究しています。女性画家として男性モデルを描くという彼女の選択は、このジャンルに長きにわたり浸透してきた画家とモデルの関係性の転覆を意図したものなんだそうです!!!

両者とも今後の活躍にとても期待のできる作家ですね。要注目です。

こういうアーティストを育てる賞が海外にはたくさんありますね。本当に素晴らしいことだと思います。日本にもいくつかありますが、その中に日産アートアワードという素晴らしい賞があったのですが、ゴーンさんが辞めて今後どうなることやら。勝手に心配しています。^^;

こういう賞に注目して今後活躍する作家さんを探していくのも面白いですよ。皆さんも是非注目してみて下さい。