こんにちは。S&Tの上村です。『TRONIES〜3人の肖像画〜』も残すところあと1週間となりました。土日お休みの方は今週末がラストチャンスとなりますので今からご予定立てておいて下さいね。😀

昨日は石川君、高橋さん両名が在廊してくれましたがそれぞれの作品へのこだわりや情熱をたっぷりとお客さんは堪能していましたよ。

会期終了は来週の月曜日となりますのでまだご覧になっていない方はお急ぎください。

今回の展示で石川君の作品に『手』が描かれている作品があります。ご覧になった皆さんはお分かりかと思います。

こちらは実はモデルは奥様。奥様ジュエリーデザイナーなので奥様がデザインしたジュエリーを身につけた手を描いたものなんですね。

この作品には象徴的な青い宝石のジュエリーが描かれていますが、こちらは『ラピスラズリ』を原料とした顔料で描かれています。

これが綺麗なんですね。

この顔料は海路でヨーロッパまで運ばれたことから『海を越えた色』という意味を込めて『ウルトラマリン』と呼ばれます。

このウルトラマリンは古くは紀元前6~7世紀の壁画で使われ、その人気が頂点に達したのはルネサンス期のヨーロッパでした。イエス・キリストの母である聖母マリアが身につけた青いローブなどでしばしばウルトラマリンが使われたといいます。

もう皆さん気がついているかと思いますが、ウルトラマリンを絵画に多用したことで有名な画家の1人にヨハネス・フェルメールがいますよね。

フェルメールの絵画についてはロンドンのナショナルギャラリーは『全体的な色の効果は統一されていますが、それでもウルトラマリン特有の存在感は、コレクターたちに対する絵の知覚価値をあげています』と説明しています。

フェルメールの『ヴァージナルの前に座る女』という絵画の中の女性のドレスでもターコイズの緑と混ぜて使われ、女性の手の影を強調するためにウルトラマリンが使われています。

もちろん石川君の使い方とは違いますが『偶然なのか?』『故意なのか?』どちらも手が関係します。

その辺はご本人に聞いてみても面白いかもしれませんね。😆

よく見ると他にもさまざまな秘密が…。

小さな一つの絵をみてもこれだけ色々語れちゃう今回の展示は非常に面白いですよ。

実物はぜひ会場でご覧下さい。

そういう話も知っておくとより作品が楽しめます。

ま、ウンチクだけ語って本末転倒な人もよくいますが…。😅

アートは底がないほど奥が深くさまざまなことを教えてくれます。

やっぱりアートは面白い。

どうです?

少し覗いて見たくなったでしょう?(笑)

それでは皆さん本日も良い1日を。