こんにちは。S&Tの上村です。先日、ダミアン・ハーストが2021年にリリースしたNFT作品『The Currency』がついに結末を迎えましたね。

もう皆さんご存知とは思いますが、ずっと書きたかった。😅

「『The Currency』って何?」って方のために簡単におさらい。

ハーストが2021年7月に発表したプロジェクトで1万枚のペインティングをNFT化したものです。販売価格は1枚2,000ドル(販売当時約22万円)でした。1万枚すべてが同じサイズ・素材でつくられ、紙幣のようなホログラムや作家のサイン、シリアルナンバーの代わりに添えられた個別のメッセージによる偽造防止加工がされた、まるで「通貨(Currency)」のような作品です。これが作品名の由来です。

The Currency / Damien Hirst
20 x 30 cm

そして、購入者は1年後に「NFTを放棄して現物の作品を所有」するか、「現物作品を放棄してNFTを所有」するかの選択を迫られ、NFTを選択した人の作品は破壊されるというもの。お金とアートを通じて「価値とは何か?」を問う挑戦的なプロジェクトです。

結果は5149人の購入者が現物作品を選び、4851人がNFTを所有することを選びました。つまり、4851枚、合計約1000万ドル(販売当時約11億円)の価値がある作品を焼却しなければならなくなったというわけです。販売当時はおよそ11億円でしたが円安の現在はおよそ14億7千万円です!!!!!!

そしてついに2022年10月30日にNFTを選択した方の作品は全て焼却が完了しました。

その時の様子がこちら。

う〜ん。もったいない。そんなケチな思いを持ってはいけない作品なんですが。(笑)

賛否両論色々巻き起こっているようですが、ハーストは「多くの人は、私が何百万ドルもの美術品を燃やしていると思っているようですが、そうではありません。物理的な作品を燃やすことで、NFTへの変換を完了させているのです」と語っています。

全くもってその通り。さすがハーストと言った作品ですね。素晴らしい。

では、「NFTを放棄して現物の作品を所有」した作品は今どうなっているかというと250万円〜300万円くらいにちゃっかり値上がりしています。

およそ10倍以上ですもんね。(^^;;

これぞアート!

さすがハーストと言わざるを得ませんね。中々興味深い作品でした。今後の価格の動向からも目が離せませんね。

これだからアートはやめられません。(笑)

本日も平野千明展の会場でお待ちしております。そんな話もしながら盛り上がりませんか?

それでは皆さん本日も良い1日を。