こんにちは。S&Tの上村です。実は昨日Owusu-Ankomah をご紹介したのには理由がありました。彼の作品をお持ちの方がこの年始に亡くなったためなんです。
昨日お別れをしてきましたが、まだまだこれからだと思っていただけに本当に残念です。T_T
色々思い出されますがその方の優しい笑顔を思い出すと泣けてきます。ご冥福をお祈りします。
さて、そんな想いに耽っていたらクリスチャン・ボルタンスキーを思い出しました。日本では一昨年、国立新美術館で回顧展が開催されましたね。
私も見てきましたが、その会場の入り口と出口に置かれた『出発』『到着』の作品が思い出されます。
この作品は「人生には始まりと終わりがある」という哲学を物語っているんだそうです。どちらがどちらの意味かは見るタイミングなどで人それぞれのようです。
彼の作品は人間の記憶や歴史、死や不在などをテーマにしたものです。しかし同時にそれは、私たちの生と存在を強く思い起こさせます。
彼の作品を見ているとものごとの光と影、明と暗の真理を同時に語りかけてきます。人生を一枚のコインに喩えるならば、本来同じ平面上にはない表と裏という真理を、同時に私たちに語ってくれているかのようですね。
死を想い、生を表現する彼はまさにアーティストであり哲学者です。
改めてアートっていいなと思っちゃいました。
『 Lifetime(ライフタイム)』には始まりと終わりがあり、生と死がある。ークリスチャン・ボルタンスキー