こんにちは。S&Tの上村です。少し前の話題になりますが、皆さん「Google マップ・ハックプロジェクト」はご存知でしょうか?
アーティストのジーモン・ヴェッカートがやったハッキングのような小難しさのない、実にシンプルな方法で実行されたアートプロジェクトです。これは今の時代の盲点をついたプロジェクトでとても面白かったです。
2017年のある日、彼は妙なことに気づきました。通りにクルマの姿はまったくないのに、「Google マップ」はその道で激しい交通渋滞が起きていると告げていたんです。彼はすぐにピンときました。その日、彼の住むベルリンではメーデーのデモ行進が行われていたからです。そこにいる大勢の人たち……というより人々が持っているスマートフォンが意図せずグーグルをあざむき、クルマなど1台も走っていない道路に、あたかも大渋滞が起きているかのように思いこませたんです。そのとき彼は自分もやってみようと決めました。
その方法が斬新でした。友人やレンタル会社から借りた合計99台の携帯電話を赤い小型カートに山積みにしました。そして、一日中通りを気の向くままに行ったり来たりしました。(笑)
その時の様子がこれ。
予想通りカートのたどった道がクルマの往来などまったくない道だったにもかかわらず、次第に渋滞を表す長い赤色のラインとなって地図アプリ上に現れました。彼はまんまとグーグルのシステムをだまし、何台もの大型バスが通りを行き交っていると思い込ませました。めっちゃ面白いですよね。\(^o^)/
これに対してグーグルは、次のようにコメントを出しています。
「Google マップの交通データは、さまざまなソースからの情報を基に次々と更新されています。位置情報サーヴィスをオンにしている方々の携帯端末から集められる匿名データや、Google マップコミュニティから提供される情報もその一部です。今回のようなGoogle マップの独創的な使い方も、今後さらに質の高い地図をつくるための一助として歓迎いたします。」
お・と・な。
グーグルによると、Google マップはクルマとオートバイの区別はできるようになったものの、ヴェッカートのやり方を見破ることはまだできないといいます。
この事はとても興味深い事実を私たちに投げかけます。どんなに信頼しているシステムでもそれが必ずしも正しいとはいえないんだという事です。
http://www.simonweckert.com/googlemapshacks.html
という事で本日の1枚です。お問い合わせはS&Tまで。
言うまでもなくS&Tでお馴染みのアンディ・デンツラーの作品。この作品は昨年の11月に韓国でのエキジビションにて展示された作品です。このペーパーの作品は小さいながらも非常に秀逸でした。S&Tでも大人気でしたよ。しかし、デンツラーはずいぶん高くなっちゃいましたが。 今後はますます値上がりして手の届かない価格になっていっちゃうんでしょうね。(⌒-⌒; )
買うなら今のうちです。(笑)