こんにちは。S&Tの上村です。昨日「コロナに負けず」とブログで書きましたが、某イベントからメールが届いて「コロナウィルスへの有効な治療薬や対処法の先行きが見通せない中、来場者および出展関係者の健康や安全面などを第一にということで開催中止が決まりました。」と。色々なところで影響が出ています。(⌒-⌒; )

さて、Valérie Favre(ヴァレリー・ファーブル)という作家は皆さんご存知でしょうか?

おそらく、よく知らないという方がほとんだと思います。彼女は1959年スイス生まれで 現在はドイツ、ベルリンに在住して活動しています。また、彼女は2006年よりドイツベルリン芸術大学で教鞭をとっています。

彼女は絵画をそれ自身が言語であると理解しており、アイディアから形への翻訳の時点で 起こる混乱が彼女の芸術的実践の背景にあります。彼女は多くの場合、時間のプロセスを 捉え素材やモチーフとより親密になるために連続してペイントします。『発せられない』ものを描くという課題は、彼女のアーティストとしての自己概念の中心 にあります。

彼女は下描きをしないでいきなりキャンバスに作品を描きます。だから作品には勢いがあります。

彼女のイメージの中には、神話で把握できる人間の存在の悲喜劇であり、文学や 哲学、映画、美術史に溢れています。

また、彼女はピエール・ボナール、ジョルジオ・デ・キリコ、オディロン・ルドンなどの著名な芸 術家の作品をしばしば参照して描いています。私が面白いと思ったのがこれ。

“Redescription Selbst-Portrait (nach Hugo Ball, Dada Poète)” N°5, 2016

『ヒューゴボール後の再記述自画像』とでも翻訳すれば良いのでしょうか?ヒューゴボールという作家をオマージュした自画像の作品です。下が元となったヒューゴボールのパフォーマンスです。

どうですか?面白いでしょう?

彼女の作品は暗いテーマが多いのですが、ただ暗いのではなくてどこかお伽話的な可愛らしさがありあまり重苦しさを感じさせません。

その他にもLapineシリーズなどたくさんのシリーズが出ていて好みの作品を選ぶのが大変です。(⌒-⌒; )

まだ入手可能なんですが、おそらく数年後は入手が難しくなってくるだろうと思います。S&Tではこの度お取り扱いできるようになったので、ご興味ある方はぜひお問い合わせ下さい。本当に素晴らしい作品の数々です。