こんにちは。S&Tの上村です。昨日もお知らせしましたが、いよいよ明日からY&ギャラリーでは『Christmas Gift of Art』が始まります。ちょっと他にはないクリスマスプレゼントをお探しの方はぜひこの3日間にいらっしゃって下さい。私はいないかもしれませんが、私がいた方が良い場合はあらかじめご連絡ください。スケジュールによってはご一緒しますよ。
詳しくはY&ギャラリーのHPで。
さて、皆さんは現在水戸芸術館で開催されている「佐藤雅晴 尾行-存在の不在/不在の存在」展はご覧になりましたでしょうか?
佐藤雅晴はわずか45歳で夭逝していますが、1999年より滞在したドイツで制作された作品から、2019年までの映像作品26点、平面作品38点を一堂に会した大規模な展示となっています。
彼の映像作品の多くは、日常の風景を撮影した後に、パソコン上でペンツールを用い、なぞるようにトレースしてアニメーション化する「ロトスコープ」と呼ばれる技術によって制作されています。
これが中々面白いんです。
当社彼は商業アニメーション業界での活動を目指していたんだそうです。しかし、商業作品としては全く評価されませんでした。しかし、『TRAUM』2004-2007年という作品で芸術性が評価され彼の転機となります。
彼の作品には安心と不安、存在と不在が常に共存しているように思えます。
2010年に上顎癌を発病しわずか45歳で亡くなってしまいましたが、今も元気ならもっともっと素晴らしい作品を生み出したことでしょう。
どうやら水戸まで足を運ぶ価値がありそうです。
同展は2022年1月30日(日)まで。皆さんもぜひ。おすすめです。
https://www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5144.html
佐藤雅晴(さとうまさはる)プロフィール *敬称略
1973年大分県生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了後、国立デュッセルドルフ・クンストアカデミーの研究生として渡独。2010年の帰国後に上顎癌を発症し、茨城県取手市を拠点に制作活動をしながら闘病の末、2019年3月に惜しまれつつ他界。ビデオカメラなどで撮影した風景をパソコン上のペンツールによってトレースしてアニメーション化する「ロトスコープ」技法による映像作品が多数。メディア芸術における表現領域を越えて国内外で高い評価を得る。第12回岡本太郎現代芸術賞特別賞、第15回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦(アート部門)受賞。