こんにちは。S&Tの上村です。毎年のことながらやっぱり冬は寒い。🥶
この時期になるといつも『今年はあまり雪が降らないといいな』と無駄な祈りをしている自分を笑っちゃいます。(笑)
さて、アートバゼルマイアミも大好評の中終わりを迎えましたが、今年はコロナ禍前の状況に戻ったそうです。今年の傾向としてはやはりジェンダー問題や気候変動に警鐘を鳴らす作品が目立ったそうです。NFTはだいぶ落ち着いていたようですが、アルテ・ポーヴェラやオプアートの作品がちらほら出ていたようです。
せっかくなので皆さんもちろんご存じだと思いますがちょっと復習してみましょう。
【アルテ・ポーヴェラ】
1960年代後半〜70年代前半にかけて確立・展開したイタリアの芸術運動。「貧しい芸術」を意味し、鉛、新聞紙、木材、石、ロープなどの素材を頻繁に用いた。67年に、この動向の命名者である批評家ジェルマーノ・チェラントによって「アルテ・ポーヴェラ、Im空間」展がジェノヴァで企画されたことを端緒として、イタリアの若手作家らによる緊密な連帯関係が構築されていく。さらに69年にチェラントは作家との共同編集によるカタログ『アルテ・ポーヴェラ』を発刊。同書にはランド・アートやポスト・ミニマリズムの作家などが含められ、アルテ・ポーヴェラの国際的な立場からの検証が進められた。また、同年に開催された「丸い穴の中の四角い杭」展(ステデライク美術館、アムステルダム)、「態度が形になるとき」展(クンストハレ・ベルン)などの国際的な展覧会にアルテ・ポーヴェラの作家たちが多く参加し、国外での認知度も高まった。素材の物理的実在性を、空間的・環境的作用因へと拡張しようとする傾向や、力学的な緊張感や時間的プロセスを可視化させようとする「反-虚構性」(G・チェラント)によって、60年代の他の美術動向とも通底している。代表作家はミケランジェロ・ピストレット、ジュリオ・パオリーニ、ヤニス・クネリス、ジュゼッペ・ペネーノ、ピーノ・パスカーリ、マリオ・メルツなど。
マリオ・メルツは昔ドクメンタに行った時に会場を歩き回っているのを見かけたのを思い出しました。当時おじいちゃんでしたが会場のあちこちですれ違いました。(笑)
【オプ・アート】
「オプティカル・アート」(Optical Art)の略称。錯視や視覚の原理を利用した絵画、彫刻の一様式。その作品は平面上の幾何学的模様と色彩の操作で遠近、明滅、振動などの錯視効果をもたらし、鑑賞者の参加と知覚を前提とする点を特徴とする。オプ・アートの源流はトロンプ・ルイユ(だまし絵)の伝統に遡り、近代色彩理論を応用した抽象的表現である点で後期印象派、また幾何学的抽象の表現可能性の追求という点で構成主義、未来派、バウハウスの系譜に連なる。J・アルバースは1940-50年代に《正方形へのオマージュ》シリーズで色彩と幾何学的要素の視覚実験を行なっていたが、用語の初出は64年の『タイム』誌上の匿名記事を待たねばならず、翌年MoMAで開催された「ザ・レスポンシヴ・アイ」展でポップ・アートと同時代性をもつ一潮流として認知された。代表的な作家としてアルバースの他にB・ライリー、J-R・ソト、J・ル・パルクらがあげられる。制作は時に高度な技術を必要とし、アシスタントによるスタジオ制作が行なわれることもあった。その装飾性により同時代の商業デザインのモチーフとして大量消費社会を象徴する60年代的流行と見られがちだが、F・ステラらが還元主義やミニマリズムに展開した点で美術史的意義は大きい。また70年代にV・ヴァザルリが示唆したように絵画的アルゴリズムと建築・都市環境の表象とする見方が可能だ。強い視覚的イメージに依拠するオプ・アートは、商業デザインや大量生産品へと流用され、またロザリンド・E・クラウスやトーマス・ヘスらからのように「視覚にのみ訴える」との批判もなされている。しかし同時に、スーラによる光と色彩の理論、モンドリアンやマレーヴィッチの抽象画、そして抽象表現主義やハードエッジ、ミニマル・アートとの関連性が広く指摘される。
しっかりと知識を身につけると同じ作品を見る時にもまた違った見方や面白さを発見できますよね。それもまた美術の面白さの一つです。作品を見るだけだなんて方がいたらもったいない。せっかく美術に興味を持ったならこういう知識も身につけて下さいね。するとまた世界が広がります。🤗
アートはどこまでいっても終わりがありません。次々と新しい扉を開いてくれるアートは本当に素晴らしいですね。やっぱりやめられません。
今は調べるツールがいくらでもあるのでぜひ興味を持って調べてみて下さいね。
たまには真面目にお勉強でした。(笑)
それでは本日も良い1日を。