こんにちは。S&Tの上村です。Meta社が11,000人を解雇したのはもうご存知の通りですが、その中にアート関連部門も対象になっているそうです。

Meta社のオープンアーツチームは、2010年に設立されたデザインやアートに関する部署です。オフィスのためのコミッションワーク(委託制作)のほか、1,000点以上におよぶアートコレクションの管理、VR、AR、AI、NFTにおける製品開発のためのアートとテクノロジーのコラボレーションのサポートなどを行っています。

日本だと真っ先に企業はアート部門を切るのですが、海外では珍しいことです。

それだけ苦しいということなんだろうと思います。

この先どうなっちゃうことやら。

アートと経済は切ってもきれない関係にありますが一瞬たりとも目が離せませんね。これもまたアート。

何だか禅問答みたいになっちゃいましたが、本来はこういう時だからこそアートの役割は大きいんですよね。その辺がザッカーバーグさんは若いですね。

他の企業の動きにも注目しておきたいと思います。

というわけで本日の1品です。

Figure #92,2011 / Glenn Ligon 
acrylic, silkscreen and coal dust on canvas
152.4 x 121.9 cm 

グレン・ライゴンは1960年、ニューヨーク・ブロンクス生まれのアーティストです。ペインティング、ネオン、シルクスクリーン、写真、インスタレーション、ビデオといった、多岐にわたるメディウムを用いて制作しています。なかでも、代表作として最も知られている作品は、1980年代後半から制作され始めた、テキストを用いた抽象画のシリーズです。ステンシルを用い、黒のオイルスティックで文字が繰り返し描かれたそれらの作品は、過剰なまでの厚塗りで画面が隆起し、何層ものレイヤーが重なることでカンヴァス上の文字はほぼ判読不能な状態となっています。 

人種やセクシュアリティ、アイデンティティを問う面がしばしば強調されがちなライゴンの作品ですが、一方で、従来のモダニズム絵画やコンセプチュアル・アートの潮流に基礎をおきつつ、批評性をもって制作されています。また、アメリカ文学から絵本、そして奴隷体験記に至るまで、幅広いソースから引用されたテキストやイメージを用い、アメリカの歴史や文化に対する鋭い考察をもたらしてもいます。ライゴンの作品はこれまで、ホイットニー・ビエンナーレ(1991、1993)、ヴェネチア・ビエンナーレ(1997)、ドクメンタ11(2002年)で展示され、2011年には回顧展「Glenn Ligon: America」がホイットニー美術館で開催され、その後、各地へ巡回するなど、個展も数多く開催されています。また近年では、オバマ大統領のセレクトにより、ホワイトハウスへの貸出が決まるなど、華々しく活躍している作家です。

本日ご紹介した作品は私のお気に入り。持っていませんよ。(笑)

ただこの作品には彼の全てが詰まっているように感じてずっと見ていられる作品です。画面から目が離せません。

彼の作品についてご興味ある方は一応S&Tまでお問い合わせ下さい。あるかどうかはその時の運次第。

それでは皆さん本日も良い1日を。