こんにちは。S&Tの上村です。もう7月も終わりなんですね。
あっという間です。😅
連日の暑さでバテ気味かと思いますが皆さんいかがお過ごしですか?
お盆前で忙しいなんて人も多いでしょうから身体に気をつけて頑張って下さい。そして、お休みになったらぜひS&Tへ足を運んでくださいね。
さて、皆さんこの美術館知ってます?
オランダにある2018年にオープンしたLAM museumという美術館。これが中々面白いんです。現代美術の美術館ですがそのテーマは食べ物。
『食べ物?』と一瞬思いますが大手スーパーマーケットチェーンの経営者によって設立された美術館ということで納得。
展示作品の中にはロン・ミュエクの両手にビニール袋をぶら下げ、子どもを抱っこした女性をリアルに再現した作品『ウーマン・ウィズ・ショッピング』なんかもあります。(笑)
何が面白いってこの美術館、展示作品のキャプションやパネルといった文字情報が一切ないんです!!!
誰のどんな作品なのかは、部屋ごとにあるQRコードを読み込むかミュージアム内の学芸員の方に聞くそうです。
さすが『アートについて何も知る必要はありません。あなたの個人的な体験がすべてです。』という方針を掲げるだけあります。
これだけでもう興味をそそられませんか?
しばらく眺めているとスタッフに『この作品は〜というタイトルなのですが、どうしてだと思いますか?』なんて声をかけられるんだそうです。
このスタッフは「ケイクコーチ」(見るコーチ)と呼ばれ、一つの作品をじっくり見て、何が見えるか・感じるかを言葉にするプロセスをアシストする役割を担っているんだそうです。
ん〜、面白い!!!
日本では『対話型鑑賞』なんて呼ばれるこの鑑賞方法ですが、特に日本人はこういう鑑賞が苦手なような気がします。
この対話型鑑賞は元を辿ればニューヨーク近代美術館(MoMA)の教育チームで開発された「ビジュアル・シンキング・カリキュラム(VTC)」「ヴィジュアル・シンキング・ストラテジーズ(VTS)」という美術鑑賞法がベースになっています。
ナビゲーターが投げかける3つの質問『作品の中で何が起きていますか?』、『どこからそう思いましたか?』、『もっと発見はありますか?』をベースに展開されます。ひとつの作品の前で15〜20分程度過ごしていると、自分には全く見えていなかった部分が、他者の言葉によって気付かされます。
見えるものや印象を言葉にして伝えるのと同時に、他者の意見も聞くので、グループの人たちと作品の見方を広げていくことができるのがメリット。
これだと目の前に見えるものが軸なので、専門知識や作品情報に頼らずとも作品鑑賞が可能なんですね。
これこそ私がいつも言っていること。まずは見て考えろということですね。(笑)
ここのケイクコーチの一人は、『ルーブル美術館でモナリザを見ようとしても、混雑していて一瞬しか見られない。作品についてじっくり話す方が、私は好みです』と言っています。私もそっちの方が好みですね。混雑は苦手です。😅
運営も至ってシンプルで、ミュージアムショップやカフェ、ワークショップルームは館内に設置されておらず、カタログやパンフレットなどの印刷物もないんだそうですよ。
また、子どもの頃から芸術に触れる体験が大事であり、機会を与えたいと学校での来館に力を入れているのも魅力の一つですね。
一つの作品を時間をかけて見る経験では、その中にもし「わからない」とか「つまらない」と思う作品と出会ったときもその理由をじっくり掘り下げていくことができます。そして過去の自身の体験とつながったりと思わぬ発見をすることになるんですよね。
LAMが『個人的な発見の旅』と例えるような、知らなかった自分に出会うことのできる可能性を秘めているということです。
どうです?行きたくなったでしょう?
近くに行かれる方はぜひ。公式HPはこちら。
いつも思うことですが、近くにあったらなぁと思います。😅
そんな話もしにS&Tの『愛のサマーセール』にいらっしゃって下さいね。
それでは皆さん本日も良い1日を。