こんにちは。S&Tの上村です。昨日新元号が発表されましたね。数日前からその話題ばかりの日本ではあまり話題になっていませんが、3月29日に『巨匠ボッティチェリによる15世紀の傑作「柘榴(ざくろ)の聖母」の模倣作と考えられていた絵画について、画家本人の工房で描かれた作品であることが分かった。』というニュースが世界では話題になりました。
これを明らかにしたのが英国の文化財保護機関「イングリッシュ・ヘリテージ」。修復作業を行ったところ、厚いニスの下に隠れていた本当の色彩が明らかになり、ボッティチェリ本人の作品と判明したんだそうです!
このオリジナルの絵画はイタリア・フィレンツェのウフィツィ美術館が展示しています。イングリッシュ・ヘリテージ所有の絵画については、細部の違いや上塗りされた黄色のニスから、専門家の間で模倣作とみられていました。X線検査や赤外線検査など様々な検査の結果、フィレンツェにあったボッティチェリの工房で制作された作品との見方に至ったそうです。
しかし、この工房で制作された作品というのが気になりますよね!!!
そうなんです。ルネサンス期には人気作を複数のバージョンで制作することが多かったんです。(⌒-⌒; )
だから真作と鑑定されても、絵全体がボッティチェリの筆とは限らないんです。特にボッティチェリは売れっ子だった為、注文に対応するために何人も助手を雇っていて、低予算の顧客向けに人気作の縮小版を描かせていたんだそうですよ。現代の版画みたいなものだと思いますが、版画は正確にオリジナルを再現できているのに対して、弟子が描いた作品となると微妙に違うような気が・・・。もうそれは本物と呼べるのかどうか^^;
いつの世も名画にはこの真贋問題がつきものですね。それに比べて、現代作家のものはそういう心配がなくて安心ですね\(^o^)/
しかし、現代作家でも売れっ子になってくると忙しさからなのか作家本人の作品であっても作品が微妙になってくる作家も多々みられます。本物か偽物かも大事ですが、購入の時には有名作家だからというよりその作品の良さを見て購入して欲しいなぁと思います。特に真贋が心配な方は、なおさら新人発掘に力を入れていって下さいね。間違いなく本物しかないですから。笑