こんにちは、S&Tの上村です。昨日は暑かったですね。私は今ひとつテンションが上がらずダラダラと仕事していました。そういう時は私はあまり逆らわないようにしていますが手を止めることだけはないようにしています。だって仕事は待ってくれませんもんね。ある意味病気です。😓

さて、5月14日のニュースですが、フランスの国務院が「モナリザ」の返還請求の訴えを却下しましたね。フランスの国務院は日本の最高裁判所にあたる機関です。

Mona Lisa / レオナルド・ダ・ヴィンチ

そもそものおさらいですが、ダ・ヴィンチの相続人の代理人を務めていると主張する団体『International Restitutions』が、1519年に当時の仏国王フランソワ1世が世界的に有名なモナリザを自分の物にしたと主張。1797年以降、同作品を所蔵しているルーブル美術館からモナリザを撤去し、『正当な所有者』に返還するべきだと訴えていました。

これでとりあえず決着はつきましたが、この団体については本部も代表者も分かっていないそうです。

怪しいですよね。🤨

国務院は、違法な主張で手続きの悪用だとして、団体側に罰金3000ユーロ(およそ51万円)の支払いを命じました。また、フランスの王政下の『決定』については、審理する立場にないとしました。

当然です。

ちょっと豆知識ですが、ダ・ヴィンチは1516年、フランソワ1世の保護を受けてフランスに拠点を移しました。そして、祖国イタリアを離れる際に多数の絵画を携えて出たそうです。もちろん、その中には1503~06年に制作したモナリザも含まれていました。

ダ・ヴィンチは、高額な年金と引き換えに国王に自身の作品を提供。こうした作品群は仏王室のコレクションとなり、以降、同国で所蔵されているという経緯です。

先日もブログで書いた『アート・ローの事件簿』にもそんな実際にあった裁判の話がたくさん掲載されています。もちろんダ・ヴィンチの裁判の話も載っていましたよ。興味ある方はぜひ読んでみて下さい。面白いですよ。😆

『アート・ローの事件簿』 島田 真琴 著

アートにまつわる話は本当に面白いですよね。不謹慎ですがワクワクします。

アートの宿命ですよね。

作品だけでなく本当に多岐にわたって興味が尽きなくなっちゃうのも芸術の醍醐味です。

嫌いなものまで思わず勉強しちゃいますもんね。(笑)

やっぱりアートは面白い!

というわけで本日の1品です。

Pfeile 1 / Arrows 1 (series of 10) , 2000–2006 / Peter Piller
inkjet prints cardboard

PETER PILLERは1968年、ドイツのフリッツラー生まれのアーティストです。
現在は ドイツのハンブルクで活動しています。

ピラーは1990 年代からコレクションした新聞の切り抜き写真や、自らの写真アーカイブから一つのテーマに沿った写真を選ぶ、という製作をしてきました。 そして、ビジュアル素材の収集と、それに新たな意味と次元を与えるためのテーマシリーズへの再文脈化に取り組んできました。

彼の鋭い観察と微妙なユーモアのセンスに基づいて、作品は常に細心の注意を払って再編成され、日常生活の活動や儀式について洞察力に富んだ視点を提供します。

主題の範囲は幅広く、(文化的)風景の描写、車に触れたり穴を覗いたりする人々から、伝統的なロールモデル、抗議の標識、訓練された犬などの並置まで多岐にわたります。

ピラーの写真はまた、日常の公共生活の領域を主題としており、一見些細なことに思われるものの中に予期せぬ意味があることを気づかせてくれます。

ピラーは、デュッセルドルフ美術館(2023年)、リューベックのオーバーベック・ゲッセルシャフト(2022年)、そしてブレーメンのヴェーザーブルク美術館でリチャード・プリンスとともに(2021年)など、幅広く展示を行っています。

ピラーは現在デュッセルドルフ美術アカデミー教授です。それ以前は、2006年から2018年までHGBライプツィヒ校の写真科教授をしていました。

現在彼の作品1点展示中です。ご興味ある方は遠慮なくお問合せ下さい。

それでは皆さん本日も良い1日を。