こんにちは。S&Tの上村です。つい先日の事です。久しぶりに本物と偽物のアートについて何が違うのかと尋ねられたのですがこの説明がなかなかに難しい。😅

ただ確実に言えるのは、上手いのか下手なのかよくわからない本物のアートと見た目は上手な素人の作品を並べて置いてどちらがあなたの心を打ちますかと尋ねた時に9割の人が前者を選ぶという事です。

本物からは目には見えない何かが出ているんでしょうね。(笑)

だから私は常々言っているようにアートは画面ではなく実物を見てほしいと思っているんです。じゃないとその何か出ているものを感じることができません。

そして、こればかりは多くの作品を見るという経験をしないとわからないことなので先日もブログで書いた芸術祭などは非常に重要な役割を担うことになるんです。だからこそちゃんとした芸術祭やアートイベントを開催して欲しいんです!!!!

より多くの方に本物に出会った時に身動きが取れないようなそんな感情を体験して欲しいなと思います。S&Tはそんなところにしたいなといつも思いながら作品をセレクトしてお見せしています。

うちに来て作品の前で固まっている方を見ると嬉しくなっちゃいます。😁

皆さんは一つの作品の前で身動きが取れなくなるそんな体験をしたことがありますか?

もし、そんな経験はないという方はぜひS&Tへ足を運んで下さい。

『ほんとか?』と疑いながらやってくると良いですよ。(笑)

というわけで本日の1品です。

untitled, 2016 / IRIS HUTEGGER
analogue photography, silver gelatine print, thread, gouache
28 x 40.5 cm

久々にIRIS HUTEGGERの作品から。

IRIS HUTEGGERは1964年オーストリア生まれで、現在はスイス在住です。

彼女の作品はよ〜く見て下さいね。ただの写真じゃありません。自身で撮影したアナログ写真をシルバープリントにしてそして刺繍で風景を再構築しているんですよ。今回の作品はgouacheも使用しているようです。

実物をご覧になった方は分かると思いますが、なんとも不思議で美しい作品です。

彼女はこう言っています。『私の意味する風景は自然を意味してはいません。それは精神的な空間、経験、想像力なんです。』と。また、彼女は自分のことを写真家だとは思っておらず、むしろ彫刻家だと考えているようです。

最後に彼女が戦争に対してメッセージを出しているのでご紹介しますね。

『誰にも戦争する権利はありません。
 しかし、平和のための義務。
 あらゆる芸術が平和に貢献できると私は確信しています。』
                           〜IRIS HUTEGGER