おはようございます。S&Tの上村です。
スペイン東部のバレンシアという港に古代ギリシャの陶器に描かれた性的なデザインを
モチーフにしたオブジェが設置され、物議を醸しているそうです。
これら鉄製のオブジェは地元の芸術家、アントニ・ミロ(Antoni Miro)氏の手によるもの。
作品の設置場所を管理している団体の広報によると、近く近隣にオープンする施設で同氏の
個展が開かれる予定で、それに先立ち展示されているといっています。
しかし、子連れの家族もよく訪れる場所に性的に露骨な作品を設置するのは不適切だ、
という声も一方で上がっています。
これに対してのミロ氏の回答は以下のようなものでした。
『一連の作品は2007年に制作したもので、約2500年前に古代ギリシャ人が日常的に
使用していた陶器に描かれていた絵をモチーフにしたもので、「私たちのルーツとの再会」
を表しています。
作品は「愛を交わす行為」を表しており、「普通のものと捉えるべき」である。』
いい答えですね。^ ^
また、「最もわいせつな絵画」とされたギュスターブ・クールベ(Gustave Courbet)
が1866年に制作した「世界の起源(The Origin of the World)」のモデルが判明した
というニュースが最近話題になっています。
詳細はこちら。
http://www.afpbb.com/articles/-/3190936?pid=20556061
「世界の起源」を基にしたドローイング
写真:Constance Queniaux
実物は閲覧制限がかかっていますが、見たい方はいつでも見れます。
昔からこのわいせつかアートかという問題は物議を醸し出しますね。(⌒-⌒; )
実は私もこのわいせつかアートかという問題でその昔えらい大変な目にあいました。
私が独立したての頃、ロバートメープルソープの写真をご注文いただいたことがありました。
当時500万円の作品でしたが、その絵柄が問題でした。黒人のお尻のアップに大人のオモチャ
が刺さっているものでした。あらかじめお客様にはもしかしたら税関でひっかかるかもしれない
とお伝えしておきましたが、芸術なので大丈夫だろうとお伝えはしていたものの
内心ドキドキでした。
案の定税関から連絡があり、ちょっとこれは問題がある為、現在審議中であると言われました。
そして税関の方から『これはなんなんだ?』と聞かれ、ロバートメープルソープの説明から
この写真の価値についてまで当時かなり時間をかけて説明を要したように思います。
別に私悪いことはしていなかったんですが、犯罪者の取り調べのようでしたよ。(⌒-⌒; )
その時初めて、税関の職員の方が特別に芸術に詳しい方がアートの通関をしているわけでは
ないんだと知りました。かなり渋られましたが、私も独立したてでこの作品の通関が
通らないと存続の危機だったため、必死に食い下がりました。
毎日のように税関の方とやりとりを重ね、最終的に税関を通せましたが、
かなりの日数を要した記憶があります。
その時に、もし税関を通らなかったら作品はどうなるのかを知ってかなり驚いた記憶が
あります。
私は送り主に送り返されるのかと思っていましたが、驚いたことに一定の期間の保管が
終わると破棄されるそうです。
500万のアート作品をいともたやすく破棄してしまうんですよ!
本当にどうなっているんだと思いました。
もし後世に残すべき素晴らしい芸術作品が『わいせつ』だとされ、破棄されてしまっていたら
と思うとゾッとします。
このわいせつとアートに関する問題はいつの世もなくならないんでしょうね。
難しい問題です。
皆さんもこれを機会に一度その問題について考えてみてはいかが?
新たな発見があるかもしれませんよ。
しゃねげど。笑
それでは今日も良い1日を。