こんにちは、S&Tの上村です。いろんな事が一気に動きすぎて頭が回らなくなってきました。普通は皆さん難なくこなすんでしょうけれど、一つの事しかできない私には結構大変です。(笑)
さて、私が気になったニュースがこちら。「息子2人を殺した」とチャットGPTが誤情報を生成、ノルウェーの男性が苦情申し立てたというニュース。
https://www.bbc.com/japanese/articles/c4ge4xjrxl0o
これは他人事ではありません。本当に怖いニュースだなとゾッとしました。😱
私もよくやりますが、何かわからない事があれば今はすぐにスマホやPCで検索しちゃいますよね。それを鵜呑みには絶対にしていけないなとより強く思っちゃいます。
それでは正確な情報って一体何なんだ?となっちゃいますが…。
結局のところ、自分の目で見て確かめろという事になっちゃいますよね。
それって便利さを追求して結局元に戻ったような気がしますね…😅
グルグルと堂々巡りになっちゃいそうな議論です。
これからの人類の課題ですね。
記事中に『AIが誤った情報を生成し、それを事実として提示する現象は、「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれている。』とありましたが、実はこれを予言したような作品が現在S&Tにあります。すでにご覧になった方もいると思いますが。
Sigmar Polkeの作品ですがこちら1998年の作品なんですよね。
調べてみるとこの「ハルシネーション(幻覚)」という言葉は2000年に入ってから使われるようになった用語なのでそれはもう予言としか…。
今となっては知りようもありませんが。
そんな事も知りながら見るとまた非常に魅力的に映る作品です。
もちろん知らなくても面白い作品なんですが。
というわけで本日の1品です。

Gelatin silver print on baryta paper, overpainted with gold and silver lacquer,
84 x 119 cm
unique
Signed, titled and dated
ジグマー・ポルケは1941年東ドイツ(現・ポーランド)シュレージェン地方エルス生まれのアーティストです。1953年に西ドイツに亡命し、デュッセルドルフに移住。61〜67年までデュッセルドルフ美術アカデミーで絵画を習得し、ヨーゼフ・ボイスのクラスで学びました。
アメリカから西ドイツにもたらされたポップ・アートなどの影響を受けて、ドイツの美術が変化のただ中にあった60年代後半に、ゲルハルト・リヒターらとともに『資本主義リアリズム』を提唱します。ポルケはとくにドットの作品で知られ、模様がプリントされた布地の支持体や、温度などで変化する画材を使用したほか、透明なシートに重ね描きをすることで作品全体に歪みを生じさせるなどの実験的な制作によって独自の画風を確立。ポップ・アートの手法を皮肉を込めて踏襲しつつ、様々な素材や様式を自由に組み合わせ、印刷文化におけるイメージや絵画そのものについて再考することを試みました。
ポルケは、あらゆる素材を自由に使う手法から、“アートの錬金術師”とも呼ばれる異才の画家です。素材同士が化学反応を起こしたり、温度や湿度により変化する素材を用いて、時とともに画面の色合いが変化していく絵画も描いています。
1986年ヴェネツィア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞した作品群もその一つで、ドイツ・ケルン郊外のアプタイベルク美術館に所蔵されています。ポルケ自身、色の変化のチェックのため、定期的に訪れていました。
2010年、6月11日、ケルンにて逝去しています。
『絵は化学物質や環境によって変わらなければなりません。作品に完成はなく、完成があるとすれば、それは作品が崩壊するときです』〜Sigmar Polke
「 絵画は鍵ではない。化学は一つの鍵だが、化学である鍵はない。化学は毒であり、毒はリスクであり、リスクは毒であり、リスクは絵画である。絵画は何かを隠している。隠すことによって新たな色彩が立ち現われる。新しい色彩は新たな危険であり、危険とは欲望であり、欲望とは鍵である (…)」
― ハラルド・ゼーマン
ポルケの予言的作品が気になる方はぜひS&Tへお越し下さい。
現在は展示していませんがご予約の際に言って頂ければ出しておきますね。😆
それでは皆さん本日も良い1日を。