こんにちは、S&Tの上村です。昨日はローズ・ワイリー作品をお買い上げの方に納品。S&Tに初めて来てからすっかりハマってしまった彼は、今では立派なコレクターです。大切そうに抱えて持っていきましたよ。😆
そんな彼とこんな話をしました。なかなかコレクターさんが自分の周りの人とアートの話をする機会が少ないという話ですが、これはどんなコレクターさんにも共通の悩み。
なんでも同じなのかもしれませんが、特にアートの場合は興味のない周りの人の反応は意外と冷ややか。😅
以前から私も言っていますが、本当になんでそこまで毛嫌いするの?なんて人も…💦
そこでそんなコレクターさんが集まって自分のコレクション自慢や思う存分芸術について語り合う場を今年こそやろうというお話し。
『丸一日かかるよ。』と冗談混じりに言いましたが、おそらく本当に丸一日かかることでしょう。だってただでさえS&Tの平均滞在時間は3時間なんですから。(笑)
それを許してくれる場所を探さないと。
それでもやはりそういう場は大事なような気がします。思う存分語り合ってもらいましょう。
これから計画したいなと思っています。😆
そんなただ鑑賞するだけじゃない企画も今年はどんどんやりたいなと思っています。参加希望者は予め教えておいてくださいね。実現するかは全く不透明ですが。😅
でもなんだか楽しそうでしょう?
いかがですか?
さて、本日は以前から書こう書こうと思っていて結局書くのを忘れていたことを少し書きたいなと思います。
連日、今S&Tで展示してある作品の話をしていますが、こちらはオリジナルのあるエディション版。日本人コレクターはどうしてもエディション版というと敬遠しがちなのですが、実は立派なコレクションになりえます。
例えば現在展示中の作品はもちろんオリジナルがありますが、その価格なんと日本円にしておよそ4,000万円。そう簡単に買える価格ではありません。そして、誰にでも売ってくれるというわけでもありません。😅
しかし、エディション版ならそれより遥かに安価に楽しめるわけです。そしてそれは1枚ではないわけです。だから入手もオリジナルより簡単というわけです。ここまでは皆さん大体ご存知の通り。
単純に、『枚数がある=価値が低い』と思っている日本のコレクターさんが多いんです。だから敬遠されがちなんですよね。😅
ま、オリジナルの1点ものを持っている優越感(?)はわからなくもないですが。
しかし、それは誤解だと言わざるを得ません。一概にそうとは言い切れません。
エディション版と言っても様々です。例えば版画家さんによる作品などはそのもの自体がオリジナル。ペインティングなんてありません。オリジナルがある程度枚数あるのです。そして、版画家じゃなくてもなんらかの意図を持って制作されるエディション版も少なくないんです。
わかりやすいので、現在展示中の作品の話をすると、こちらは実はエディション版と言いながらオリジナルの油彩とは少し違うのです。ある人物の肖像画なのですが、顔や手の動きなど細かいところが違います。
偽物か?と疑ってしまうほどなんですね。
しかし、これは立派な真作。作者が意図的にそうしているのだそうです。
ということはオリジナルとは別の楽しみがあるわけです。もちろんオリジナルと並べてその違いを見る楽しみもあるのでしょうけれど、それは中々叶いませんが、オリジナルの資料と比べながら見ることは可能です。
エディション版だからと言って決して価値がないわけじゃないんですよ。オリジナルと違うならある意味こちらも枚数のあるオリジナルと言えるでしょう。特にこんなエディション版なら欲しくなりませんか?
そして、何よりオリジナルは1点もののため本当に良いものがそうそう市場に出回るわけもありません。ここにコレクションを失敗する人が出る理由があるのですが、それは別の日に。
一方でエディション版なら枚数があるが故に意外と良いものが市場に出回ることも多く入手できる可能性が高いということなんですよね。
実際の話、版画のオークションにはオリジナルのオークションより結構掘り出し物があるんですよね。
オリジナルのオークションは実際のところ一つのオークションに1つ良いものがあればいいところ。
どうですか?
少しは誤解が解けましたかね。
頑なにオリジナルにこだわらなくても良いコレクションはできるというわけです。もちろん良い作品が手に入ればいう事ないですが。
初めから眼中にないと損することになっちゃうかもしれません。食わず嫌いは損しちゃいますよね。
一通り興味を持つことは大切です。ただお金をかければ良いコレクションができるということでもありません。
ま、往々にして良い作品は高いんですが😅
そんな話もしながらぜひ今展示してある作品をご覧いただければなと思います。
遠慮しないでS&Tまでご連絡くださいね。
それでは皆さん本日も良い1日を。