こんにちは、S&Tの上村です。昨日は久々にお会いする遠方の常連さんがS&Tへやってきてくれました。😆
お土産にチーズを頂いたのですが、これがとんでもなく美味い!!!😋
山形県は美味しいものが多いのですが、チーズだけは私が満足するものに出会ったことがないと常日頃言っていただけにこのお土産は非常に嬉しかった。
本当にこんなに美味しいチーズには中々出会わないですね。一緒にクラッカーも頂いたのですがこれも何やら普通のとは違っていて美味しかったです。本当にありがとうございます。
代わりに(?)S&Tでたっぷりと作品を堪能して頂きました。(笑)
せっかくいらっしゃるという事なので『アレも見ていなかったな』『あっ!これも見ていなかったな』と前日から準備を念入りにした甲斐がありました。
どの作品も食い入るように見ていただけて本当に嬉しかった。
その中でも特にお気に入りだったのがこれ。

Original Lithograph / Photo Lithograph
Printed on 300 g. Velin d’Arches paper
Size: 81 x 59 cm
edition of 60 ex. numbered and signed by the artist
う〜ん。😓
やっぱり画像ではなんだかさっぱりわかりませんね。
この作品は音符を重ねて作られている作品なんですよね。もちろん平面なんですが、それが立体的に浮き出て見えます。
そして、この作品タイトル通りトスカニーニの伝説的な最後の公開生放送、1954年4月4日カーネギーホールでのワーグナー演奏会のライヴ録音に因んだもの。
調べるとこの公開生放送中に起こったハプニングは今でもいわくつきの伝説として語られる演奏会でした。
私があまり詳しくないのですが、調べれば調べるほど興味をそそられる出来事でした。詳しくはこんな記事がネットに出ていたのでリンク貼っておきますね。
https://mainichi.jp/articles/20210108/org/00m/200/001000d
こんなことまで興味を向けちゃう芸術作品ってやっぱり面白いなと改めて思います。
そして、それをたった1枚の平面で表現しちゃって尚且つ美しい作品に仕上げているイドリス・カーンってやっぱり面白いですよね。
日本ではほぼ知られていませんが、S&Tではもちろん設立当初からおすすめしているアーティストの1人です。最近エディション版の最新作も発表されたばかりですが毎年活躍の場を順調に広げています。まだまだ若い彼はこれからの活躍が楽しみな作家の1人と言えるでしょう。
というわけで本日の1品はイドリス・カーンの作品から。

Digital C Print on Aluminium
196 x 259.5 x 9.6 cm
タイトルを見てピンときた方も多いかもしれませんね。そうです。マルセル・デュシャンの『階段を降りる裸体』のオマージュ作品ですね。こんなのも作ってるんですね。
この『階段を降りる裸体』のオマージュはたくさんのアーティストが制作していますがそれらを一堂に集めた展覧会とかやったら面白そうですね。(笑)
ロンドンを拠点とするアーティスト、イドリス・カーンは1978年にイギリスで生まれました。2004年にロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで優秀な成績で修士号を取得して以来、ミニマルでありながら感情に訴える写真、ビデオ、彫刻で国際的に高い評価を受けており、間違いなく同世代の最もエキサイティングなイギリス人アーティストの一人です。
文学、歴史、芸術、音楽、宗教など、さまざまな文化的ソースを活用しながら、カーンは抽象と具象の間の空間に生息し、歴史、累積的な経験、そして時間が一瞬に崩壊するという形而上学的テーマを語る、濃密に重層化されたイメージを含む独自の物語を展開してきました。
カーンの考え方は写真よりも絵画的ですが、作品の制作には写真製版の複製ツールをよく使用します。二次資料(楽譜、コーランのページ、後期カラヴァッジョの絵画の複製)を撮影またはスキャンし、デジタルでスキャンのレイヤーを積み重ねます。これにより、コントラスト、明るさ、不透明度の微妙な変化を細かく制御できます。結果として得られる画像は、表面が驚くほど光学的な強度を持つ大規模なCプリントであることがよくあります。
カーンの作品は、彫刻や絵画にまで広がりました。彫刻作品では、鋼板、立方体、水平の石板などの素材を使用し、楽譜や祈りのテンプレートで表面をサンドブラストして、文化的、視覚的、映画的、時間的な記憶が密集した共感覚的な全体に融合する方法についての研究を続けています。
彼の作品は、イギリスのロンドンにあるサーチ・コレクション、サンフランシスコ近代美術館、ニューヨークのソロモン・R・グッゲンハイム美術館、イスラエルのテルアビブ美術館、オーストラリアのシドニーにあるニューサウスウェールズ州立美術館、フィラデルフィア美術館、サンフランシスコのデ・ヤング美術館、フランスのパリにあるジョルジュ・ポンピドゥー・センターなど、世界中の多くの機関の永久コレクションに収蔵されています。
S&Tでは現在3点展示しておりますのでご覧になりたい方はなくなる前にいらっしゃって下さいね。お早めに。
それでは皆さん本日も良い1日を。