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野生の勘

こんにちは、S&Tの上村です。昨日はなぜかフラフラ。どうしようもないのでお休み頂きましたが、そんな時に久しぶりのお客さんから『その後体調はいかがですか?』と連絡が!!!

さすが一流の経営者。野生の勘がすごい!!!

『なぜわかるんだ?』とビックリして元気になりました。(笑)

さて、現在、台北ビエンナーレ2025が始まっていますね。もう行った方はいますかね?

中々盛り上がっているようです。

11月1日から開催されていますが、今回は世界35都市から54名のアーティストが参加しています。

植民地支配、アイデンティティの葛藤、政変を経てきた台湾の複雑な歴史が背景となっているので、薄っぺらな商業主義の芸術祭よりよほど面白いかなと思っています。

今回のテーマは「Whispers on the Horizon(地平線上のささやき)」。

単なる願望を超えて、より永続的かつ未解決で、人間の条件に深く埋め込まれたものへと拡張する「思慕」の概念を多角的に探求するそうです。

私が興味を持ったのが約半数の参加アーティストが1984年以降生まれだという事。若いアーティストが一体どんな作品を発表しているのか興味津々です。新しい才能も発掘できそうですよね。😆

S&Tでお馴染みのモナ・ハトゥム(Mona Hatoum)も参加しているとなれば尚更です。

台湾は食べ物も美味しいとよく言われるので旅行がてら行ってみてはいかが?

台北ビエンナーレ2025は2026年3月29日まで。年末年始の旅行にも良いかもしれませんね。楽しそうです。🤗

というわけで本日の1品です。

ラブレター / CHEN Fei
2024年
リネンにアクリル
290x220cm

10月5日までワタリウム美術館で彼の展示をしていたのでご覧になった方も多いかもしれませんね。

チェン・フェイ(陳飛 CHEN Fei)は、1983年中国山西省生まれ。現在、北京を拠点に活動しています。

この作品については作家が語っているのでそれを掲載しておきますね。

『私の娘は早産で⽣まれ、体重は1⽄(500グラム)にも満たないほどでした。案の定、幼少期から体が弱く、成⻑過程も⾮常に⼤変で、毎⽇⼦どもの排便を確認することが、⽗親としての私の⽇課となっていました。漢⽅でも⻄洋医学でも、⾚ちゃんの便の状態は⾮常に重要な基準であり、毎⽇⽋かさず写真に収めていました。
時が経ち、娘も成⻑し、健康な⾝体を持つようになった今では、そんな記憶もすっかり忘れていたのですが、ある⽇、携帯電話の中の画像を探していたときにふと気づいたのです。数年前の私のスマートフォンには、他の写真がほとんどなく、サムネイルには様々な便の写真ばかりが並んでいました。
それらを⾒たとき、私はただただ感慨深くなりました。それらは、まるで⽂字のように⾒え、まだ⾔葉を話せなかった頃の娘が、「パパ、今⽇は調⼦が良かったからきれいな形だったよ!」とか「パパ、今⽇は体調が悪かったから暗い⾊なんだ」と語りかけてくるように感じたのです。決して嫌悪感はなく、⼤量の写真はまるで⼀篇の⻑詩のように思えました。
もちろん、これは私⾃⾝の⽗親としてのフィルターを通して⾒た感情であり、他の⼈の⼼を打つかどうかはわかりません。でも私はどうしてもこれを作品として表現したかったのです。とはいえ私はアーティストであり、便そのものを写実的に描くわけにはいきません。そこで思い出したのが新古典主義であり、ウィリアム・モリスの装飾的な⼿法でした。私はそれを壁紙のように装飾的に再配置し、平⾯化に処理し、もっとも適切な形にできたと感じています。さらに、画⾯を貫く光が、形式美に満ちた絵に空気を吹き込み、⽣命を与えてくれました。この作品は極めて私的なものですが、時に私は考えるのです-
画家になったということ⾃体が、⾃分⾃⾝を喜ばせるためだったのではないかと。』
チェン・フェイ

それでは皆さん本日も良い1日を。

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