DIARY / BLOG

やっぱり芸術って面白い

こんにちは、S&Tの上村です。昨日は撮影のため一路山形市へ。

放送になるまで詳細は明かせませんが、非常に盛り上がりました。😆

作家の話を聞きながら作品やアトリエを見学させてもらいましたが、素敵な暮らしぶりにちょっと嫉妬しちゃいました。(笑)

放送は来月だそうなのでお楽しみに😊

帰り道、某作家から『すごく唐突ですが、上村さん的に次なんか企画するとしたら誰とやるとかあるんですか?』とLINEが。

もちろん即答で『ちゃんと作品を作っている人とやりたいと思っている』と答えました。🤭

何やら企画があるようで会って話をするのが楽しみです。来年も盛り上がりそうですね。

いつもはのんびりのS&Tも来年の企画へ向けて動き出しています。

さて、ここ数日、日本でもルーブル美術館の盗難の話題が取り上げられていますが、こんな映画はいかがですか?

『The Mastermind』という映画ですが皆さんはご存知ですか?

2025年・第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。第35回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門上映作品なので知っている方も多いかもしれませんね。

ざっくり言うと美術品盗難事件の失敗を描いている映画で、激動の時代として知られる10年間に相次いだ類似の盗難事件に着想を得ているそうです。

どんな事件か気になりますよね。(笑)

1972年5月、マサチューセッツ州ウースター美術館に2人の男が押し入り、ポール・ゴーギャン、パブロ・ピカソ、そしてレンブラントとされる絵画(現在では彼の弟子の作品とされている)4点を持って急いで美術館を出て行き、見学していた高校生グループに銃を突きつけ、その際に警備員1人を射殺しました。盗まれた美術品の価値は200万ドル(およそ3億円)に上り、ニューヨーク・タイムズ紙はこれを「現代最大の美術品盗難事件」の一つに挙げました。

一説ではこの事件が、近隣で起きたはるかに有名な犯罪の引き金になったとも言われています。それが1990年にボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館で起きた強盗事件です。この事件では5億ドル(およそ763億円)相当の美術品が盗まれ、アメリカ史上最も高額な窃盗事件となりました。この事件は未解決のままです。

ウースターの強盗は、常習犯のフロリアン・「アル」・マンデーが仕組んだものでしたが、彼が雇った2人の窃盗犯が地元のバーで自分たちの偉業を自慢したことで、事態は収拾がつかなくなりました。1ヶ月以内に、絵画はロードアイランド州の養豚場から無事に回収され、美術館に戻されました。「皮肉なことに、マンデーは美術品窃盗犯になる前はバンドを組んでいて、私は彼の45回転レコードを持っているんです」と、脚本・監督のケリー・ライカードは語っています。『マスターマインド』は、ウースター強盗事件に続く一連の出来事と、その10年間に続いた美術品強盗に着想を得ています。

そして、ウースター美術館強盗事件からわずか数か月後、カナダで「天窓強盗事件」と呼ばれる強盗事件が発生しました。モントリオール美術館が3人の武装強盗に襲撃され、200万ドル(およそ3億円)相当の絵画、宝石、貴重品が盗まれ、これはカナダ史上最大の窃盗事件となりました。

また、大西洋の向こう側では、1976年にフランスの法王庁宮殿で巡回展が開催されていたピカソの晩年の作品119点が、3人の窃盗犯によって盗まれました。

1910年にルーブル美術館の元職員がモナ・リザを盗んだ事件は、単独の絵画としては最も有名な盗難事件として今も記録されています。

オックスフォード大学を卒業し、相続人であったローズ・ダグデールの事件もありました。彼女は後に凶暴な犯罪者となりました。😱

事件を上げたらキリがないくらい出てきますね。😅

ウースター美術館強盗事件は、美術品盗難業界の転換期を告げるものであったことは間違いありません。美術史家トム・フリン氏によると、1970年代の窃盗事件の急増は「美術市場の活況と一致する」そうです!!!

フリン氏は、1977年に放送された専門家チームが美術品や美術品を鑑定する長寿テレビ番組「アンティーク・ロードショー」が人気を博したことを挙げ、『これは、美術作品を金銭と同等のものとして見るようになった文化的変化です』と述べています。

面白い見解ですね。

また、フリン氏はこんなことも言っています。

「美術品犯罪や大規模な美術品強盗の歴史は、美術品の本質を真に理解していない、便宜主義的な愚か者たちによるものでした。そして、彼らは突然、盗んだ品々が売却困難なものであることに、恐ろしさとともに気づくのです。」と。(笑)

美術品窃盗は「被害者なき犯罪」だという考えなど、美術品窃盗犯の美化が、美術品窃盗に関する誤解を根付かせた一因となっているのかもしれないともフリン氏は述べていました。

その通りかもしれませんね。だって、現に不謹慎ですが面白いですもんね。😅

『マスターマインド』は、様々な方法で美術品強盗に関する固定観念を覆す作品なんだそうです。

今日では、公立美術館やギャラリーへの強盗ははるかに少なくなり、犯罪者たちは「これらが本質的に代替不可能な物品であるという事実に気づいている」とフリン氏は言います。

しかし、アメリカ政府による最近の予算削減によりセキュリティーリスクが高くなっているのは周知の事。

美術品犯罪の増加も予測されますが、セキュリティだけが損なわれるのではなく、建物の構造そのものも損なわれることでしょう。屋根や窓に投資をしなければ、最終的には、犯罪者よりも天候や気候変動の方が美術品にとってより大きなリスクとなるのは明らかです。

こんなところにもトランプの無知が悪影響を及ぼしています。

東京国際映画祭は10月27日から。

ご興味ある方はぜひ。

やっぱり芸術って面白いですね。😆

それでは皆さん本日も良い1日を。

次の記事
2/2440
前の記事