また1人
こんにちは、S&Tの上村です。昨日はS&Tへ初めていらっしゃったお客様にS&Tの始まりから最新作までたっぷりと堪能して頂きました。
作品はこれまで購入したことがないという事でしたが、昨日は初めての作品を購入して帰りました。
色々話をするとそもそもがコレクター体質。これで深〜い芸術の迷宮に迷い込んでしまったようです。(笑)
また1人アートジャンキーの誕生です。🤗
さて、海外のニュースを読んでいて刺激的なタイトルが。
「トロイの木馬以来、最も巧妙な策略」:米国をスパイしたソ連の芸術作品
ちょっと気になって覗いてみるとこれが中々面白かった。
80年前、第二次世界大戦の終盤、ロシアのボーイスカウト隊が、モスクワ駐在の米国大使公邸(スパソ・ハウス)で、手彫りのアメリカ合衆国国璽を贈呈しました。この贈り物は、戦時中のロシアと米国の協力関係を象徴するものであり、W・アヴェレル・ハリマン米国大使は1952年まで、この国璽を誇らしげに自宅に掲げていました。
ところがこれがとんでもない代物。
この国璽には隠された盗聴装置が仕込まれていたんですね!!!!!
後に米国の技術保安部隊はこれを「ザ・シング(物)」と名付けました。
この装置は、外交会話を盗聴していましたが、7年間全く見破られませんでした。一見無害な芸術作品を用いて敵に潜入し、戦略的優位性を獲得したソ連は、オデュッセウスのトロイの木馬以来、最も独創的な策略を成し遂げました。スパイ小説のネタのように聞こえるこの話は実際にあった真実の物語なんですね。
驚きです。
しかし、これは芸術作品が美術史において、スパイ活動、策略、軍事戦略のために利用された利用された唯一の例というわけではないんですよね。😅
皆さんご存知のレオナルド・ダ・ヴィンチはモナ・リザを描いただけでなく、戦車や攻城兵器も設計しました。また、ピーテル・パウル・ルーベンスは三十年戦争中にスパイとして活動しました。第一次世界大戦と第二次世界大戦中、様々な国の芸術家たちがカモフラージュや欺瞞工作を考案しました。イギリスの美術史家(王立美術コレクションの調査官も務める)のアンソニー・ブラントは、第二次世界大戦から冷戦初期にかけてソ連のスパイとして活動していました。などなど例を挙げるとキリがありません。
今回話題になっている「ザ・シング」はどのように機能したのだろうか?
79歳の対監視専門家、ジョン・リトル氏は長年この装置に魅了され、自らレプリカを製作したほどなんですね。
そしてリトル氏の驚くべき研究を描いたドキュメンタリーが今年公開され、5月に行われた初公開ライブビューイングのチケット完売を受け、9月27日にはバッキンガムシャー州ブレッチリー・パークにある国立コンピュータ博物館で上映される予定だそうです。
見たいですよね。気になります。🤗
芸術作品の持つ暗くて奇妙なもう一つの側面ですが、非常に興味をそそる話ですね。
やっぱり芸術って面白い。
というわけで本日の1品です。

Archival pigment print
21 x 16 and 30 x 23 inches
Mary Ellen Bartleyは1959年ニューヨーク生まれの写真家です。彼女は、本の素材と質感を探求し、さまざまな色と形のボリュームを並べて抽象的な構成を作成します。
印刷された本の触覚的・形式的特性、そして抽象化の可能性を探求した写真作品で知られています。バートリーの作品は幾何学と純粋なフォルムを探求し、絵画的な作風でありながら、本自体が持つ重層的な歴史への好奇心を掻き立てます。彼女の写真は、私たちが何を見、何を見ないのか、そして私たちがどんな物語を語るのかといった問いに満ちています。しかし、彼女の作品の精神は、騒々しく混沌とした世界からの内省的な反応、そして安息を与えてくれます。印刷物特有の「オーラ」と物質性を強調することで、バートリーの作品は、ますますデジタル化が進む現代において特に力強い、質感と触覚的な特性を称揚しています。
以前、彼女のモランディーズブックシリーズが入荷した時はすぐになくなってしまい、それほど多くの人にはご覧いただけませんでした。それぐらい実物を見ると美しく、奇妙で面白い作品なんですよね。
今、彼女の作品が1点ご覧いただけますのでご興味ある方は遠慮なくご連絡下さいね。
それでは皆さん本日も良い1日を。