こんにちは。S&Tの上村です。昨日回復しましたとブログ書きましたが嘘でした。😅
あの後熱が出たり下がったりの繰り返しで結局何もできませんでした。💦
今度こそ本当に回復し本日より仕事復帰します。それにしても今回の副反応は酷かった。できればもうワクチンはもう打ちたくないですね。結局3日間無駄にしました。(T . T)
さて、4月29日から「越後妻有 大地の芸術祭 2022」が開催されますね。11月13日までの145日間と長い会期ですが、作品総数は333作品。作品によって観られる時期は異なるそうですが、夏季は可能な限りすべての作品をオープンする予定だそうです。1回しか行けない方は夏季がおすすめです。
そこに出品される作品には、現在ロシアによる軍事侵攻が進むウクライナ出身の作家ジャンナ・カディロワの作品なども出品されるそうです。この作品はドイツを経由してウクライナから送られてくる予定だそうです。
そしてもう一組。ウクライナで生まれ、旧ソ連時代のロシアで過ごしたアーティストのイリヤ&エミリア・カバコフ。世界中の人々が階層や地域、年齢を超えて手をたずさえ、平和の世界とすることを願って建てられた『手をたずさえる塔』が展示されます。
夜は上部のオブジェが様々な色に光るそうです。なんか平和を祈っている感じがしますね。
カバコフはこのオブジェについてこう言っています。
『青は少し寂しいかもしれませんが、空の色でもあります。
緑は生きること、草木の色。ピンクは始まりの色、朝焼けの色。
黄色は太陽の光。』
文化統制化で自由な芸術活動が認められていなかった旧ソ連で、秘密警察に逮捕される危機感を持ちながらアトリエに留まって生活してきたかれらにとって、現在の世界情勢は胸を痛ませるものでした。パンデミックを経て同作の点灯を再開するにあたり「悲しみをあらわす青のなかに、黄色を灯したい」という希望がカバコフから芸術祭側に伝えられたといいます。まさに現状を訴えるのに相応しいアーティストと言えるのではないでしょうか。
カバコフと言うと1992年のドクメンタで見たトイレットを思い出します。『トイレット』と言う作品でしたが、外から見たら本当に公衆トイレのようで間違って入っていく人もいましたよ。実は中に入るとリビングルームになっているのですが。(笑)
私もなんじゃこりゃと驚いたのを今でも鮮明に覚えています。
そこには彼らの作品に一貫しているものが表現されています。
*トイレットの説明
『薄汚れた内部、穴だけのドアのないトイレ。臭いさえしないものの、誰もが想像できる類いの場所だ。そこにベビーベッドからソファーセット、棚などが置かれ、洋服が散乱するなか、読みかけの本がベッドサイドに置かれ、食べかけの皿までセットされている。あたかも普通の日常生活がそこで営まれているかのようだ。トイレという日常のなかでは究極のプライベート空間が公衆化されるとき……。』
イリヤの母親は少しでも子どもの近くにいたいという一心でモスクワに移るが、居住許可を持っていないため、あらゆる場を点々とします。公衆トイレでの寝泊まりから心ある者の庭先でのキャンプ、あるいは見知らぬ者の家。何度も通報される辛い日々が続きました。イリヤは母の執拗なまでの愛が精神的に負担でもあり、また母親の存在がすべてでもありました。
最後に彼らのドキュメンタリー映画で二人のインタビューから。
「ソ連での生活は葬られた日々だった。毎日が雨期だった」─イリヤ。
「イリヤは子どものころからよそ者のようだった。この社会に属していなかっ
た」─エミリア。
彼らこそ誰よりも世界平和を願っているアーティストでしょう。
そしてその作品は悲しいだけではなくどこかユーモラスで暖かいんですよ。
ぜひ一度ご覧下さい。