こんにちは。S&Tの上村です。本来は今頃たくさんの企画展やアートフェアが開催されている時期ですが、ほとんどが延期や中止となり他業種同様にアート業界もあの手この手で苦戦しています。現在はオンラインビューイングが主流となっていますが、やはりアート作品は実物を見ないと何とも判断しかねるのが歯痒いところです。
ビジネスにアートをと言われ久しくなりますが、こういう状況になると日本はアートは二の次となってしまうのは私が知っている30年前からあまり変わっていないように感じます。
30年前も企業メセナだ何だとアートを企業に積極的に取り入れようとしていた時期があります。バブル崩壊後パッタリと『そんなことあったっけ?』なんて感じに消えてしまったことを思い出します。この話は長くなるのでまた別の機会に。
昔から日本人の絵の買い方には大きな特徴があると言われています。それは「名前を知られている人の絵しか売れない」ということです。幸いにもS&Tのお客様にはそういう方はほとんどいらっしゃらないのですが、一般的にはそういう傾向にあるのは否めないですね。(⌒-⌒; )
とある大企業のリーダー研修でもこんな事があったそうです。受講者に何枚かの絵を見せて、「自分の好きな絵、これはいい!と気に入った絵を1枚選んでください」という課題を投げかけました。すると皆さん「あれかな?」「これかな?」と楽しそうに選び始めます。しかし、途中で講師が「このウチの何枚かは歴史上の傑作と呼ばれているもので、残りは幼稚園児が描いたものです。」と言うと皆さんピタッと動きが止まったそうです。
なかには「ヒントをください」と言ってくる方もいたそうです。「自分の好きな絵を選んでください」という質問なのに、いつの間にか「どの絵が歴史上の傑作でしょう」というクイズに。日本は大企業の幹部を務めている優秀な方でも、そんな単純なことが見えなくなってしまうようです。そして、これが「情報」の怖さだという事を知ってもらう研修だったようです。
日本人の特徴なのでしょうか?どうしても情報に左右されがちです。だから日本人は「名前を知られている人の絵」を買う傾向にあるんですね。しかし、それではアートもビジネスも大きな成功はないように思います。なぜなら、アートなら「名前を知られている人の絵」を買っても初期投資が高く値上がり率もそれほど高くはないからです。それよりも名前を知らない人の作品をいち早く見つけ出した方が価格も安く、その人が評価された時の喜びもひとしおです。ビジネスなら「好きな絵」を自分で選べる人は「情報」に惑わされ過ぎず、決断の軸を外に求めない、そんなリーダーシップを持った人と言えるでしょう。
この辺のことが注目され昨今ビジネスにアートをという大企業が増えてきているんですね。30年前と違うのはそういう感性を持った人が確実に増えているように私は感じます。S&Tのお客様はそういう感性を持った人が多い!お世辞ではないですよ。(笑)
初めに戻りますが、アート作品は実物を見ないと何とも言えないと言いましたが、将来的に技術の進歩により実物を見るのと寸分違わないバーチャル空間が完成する事でしょう。そうなると家にいながらアートフェアを本当に楽しむこともできるようになるかもしれませんね。
こんな状況だからこそいろいろな事が明確に見えてきます。コロナ後の未来に生き残るためにも今何をしていくかが大切になってくるんでしょうね。
コロナの長期化が予想される今、世界は変わる必要があるのでしょう。世界が変わるにはまずはそれぞれからというところでしょうか。
長くなりましたがこのことはまだまだ話し足りない。😅
さて本日の1枚です。お問い合わせはS&Tまで。
Tigran Tsitoghdzyanは、ニューヨークを拠点とするビジュアルアーティストです。 彼は1976年にアルメニアのエレバンで生まれました。5歳で油絵を始め、すぐにモダンアートのファウンダーに才能を見いだされます。そして、わずか10歳の時にティグランの絵画がアルメニアの個展で展示され、その後アメリカ、ロシア、スペインそして日本に展示されました。 日本でも展示されているんですね!!!
10年後、彼はヨーロッパに移住し、2009年にはアメリカに移住しました。 それ以来、ニューヨークを拠点として次々と興味深い作品を生み出しています。彼の新しいシリーズにおいて、ただリアルなだけではないイメージを作り出すことに成功しています。『ミレニアム』と題された代表的なシリーズはキャンバスに油彩で描かれていますが、彼らは彼ら自身の手で、顔を覆っているように見えます。よく見ると記号のようなものが背景に描かれています。驚くのはこれは写真ではないということです。