こんにちは。S&Tの上村です。私はクリスマスの時期になるとバンクシーの絵画のことを思い出します。皆さんは空から降ってくる白いものに喜ぶ少年の姿のこの絵覚えていますか?

確か2018年だったと思いますが、バンクシーは作品を撮影した動画をInstagramに投稿しました。そこには「季節のご挨拶です」との文を添えていましたが、この動画続きがありました。

はじめにほのぼのとするBGMとともに、両手を広げて空を見上げる少年の絵がアップで表示されます。

そしてカメラが作品の全体を映すと、絵は壁の端に描かれ、直角に交わる別の壁にも続きがあることがわかってきます。そこには、小さなごみの焼却設備が描かれており、雪だと思われた白い物体は、ごみの灰だったという「オチ」が付いているんですね。

最後にガレージの向こう側にある大きな工場が映され、工場の煙突からは白い煙が上がって動画は終わります。

作品があるガレージは、イギリス南部の工業都市ポートタルボットにあります。特に製鉄会社「タタ・スチール」による鉄鋼業が盛んですが、それに伴って大気汚染が深刻な問題となっているということです。

バンクシー一流の皮肉がみて取れるこの作品は現代のクリスマスにふさわしいなぁと私は思います。

ただ楽しむだけでなくアートを通じてこんなことにも思いを馳せてみてはいかがですか?