こんにちは、S&Tの上村です。昨日は作家の石川君がご来店。辺藝の打ち合わせを兼ねて近況報告しました。色々有意義な話ができたかなと思います。

その話の中で石川君の活動についての話がちょっと面白かった。展示などご覧になったことがある方はご存知だと思いますが、石川君はよく肖像画を描きます。だからなのか遺影を頼まれることも多いそうです。歌手のジョーダン・ムーニーさんの遺影を描いたのはまだ記憶に新しいところですよね。

どんな風に遺影を描くのか気になったので聞いてみると、まずは遺影を依頼される方の写真を20枚から30枚ほどお預かりするそうです。

その写真を見ながら石川君なりに思いを巡らせどんな人だったのかを想像するんだそうです。それを何度も何度もシュミレーションしながら描くんですね。遺影が描き終わる頃には遺影の人物が旧知の親友だったかのようになるそうですよ。(笑)

遺影の依頼主の中には『なんで会った事もない人物のことがわかるんですか?そっくりだ』と涙を流す人もいるそうです。

このエピソードを聞いて石川君らしいなと思いました。彼の作品には心があります。それはまさにこういうことを積み重ねて制作するからなんでしょうね。

遺影だろうが作品だろうが根底には同じ取り組みが垣間見えるエピソードでした。

彼は愚直に描き続けるんだろうなと思うと感慨深いものを感じた昨日でした。

私も遺影は石川君に依頼しようっと。

もちろん遺影の依頼は大歓迎だそうですので、もしそんな依頼をしたい方はS&Tまでご連絡くださいね。お繋ぎしますよ。🤗

余談ですが石川家の犬が本当に可愛いんですよ。まるで人間みたいで本当に賢い。説明が難しいのですが犬がダメな人も大丈夫な犬です。う〜ん。説明が難しすぎる。😅

もちろん石川君は今年も辺藝に参加します。今回は石川君は1箇所面白い事もやりますが、まだ発表できないので妄想を膨らませながらお待ち下さい。

辺藝は9月1日からですが、これからしっかりと最後の準備に入っていきたいと思います。

せっかくなので今日は石川君の作品から。

雨宿りしていよう / 石川琢弥
パネルに綿布、油彩
910×727mm

昨年の3人展でお披露目された彼の作品ですがモデルは石川君の尊敬する野見山暁治さんなんですね。この展示の後すぐに野見山さんの訃報があったのは偶然だったのかと今でも考えます。

なんだか不思議なご縁を感じますよね。これもある種の遺影ですね。

【石川琢弥(いしかわたくや)】

1983 福岡県生まれ

2005 東北芸術工科大学 洋画入学

2005 デッサン/ドローイングコンール グランプリ

2006 初個展「sopo」

2009 東北芸術工科大学卒業制作 優秀賞

2010 個展「a refrigerator」

2020 個展「FORM」

2022 個展「PAINTING RESISTANCE」

本年は英国のCharlie Harper (UK SUBS)の肖像画や、故Jordan Mooneyの追悼展の遺影を油彩画で描くなど、より著名な人物との油彩表現にも活動の幅を広げている。

『「居る」こと、「在る」ことを僕なりに可視化したい。』〜石川 琢弥

それでは皆さん本日も良い1日を。