おはようございます。S&Tの上村です。
いよいよ、芸術祭の本格的なシーズンになってきましたね。
すでにS&Tでも何度か取り上げてきましたが、
日本でも芸術祭が各地で開催されるようになり、
だいぶ定着してきた感があります。
とりわけ地方では地域活性、地域ブランディングの観点から、
国内外からアーティストを呼び込み活発に行われています。
山形でも、みちのおくの芸術祭がまもなく始まりますね。\(^o^)/
芸術祭の経済効果が150億円くらいになるものもあるそうです。
すごいですね。
無料だったり、展示物の撮影が可能なものが多いので、SNSなどとの
連携がしやすいのも人気の一因だそうです。
日本ではここ20年くらいで育ってきたアートイベントですが、ドイツでも古くから
アート関連イベントが開催され、現在でも根強い人気を誇っています。
先日、アートショップのブログでも少し触れた
『ドクメンタ』がその代表格ですね。
ドイツにおける芸術祭は、都市という公共の場で開催され、
大人から子供まで参加できる間口の広さを持ちながら、
社会課題を喚起し議論を生む役割を担っているそうです。
アーティストは社会に対して、作品を通して『ツッコミ』を入れる一面を
持っています。
加えて各地方都市には、文化をテーマにしている地方議員や専門知識を持った
行政マン、民間の活動家が多く存在し、社会と芸術の相互関係について広く
了解があります。
これが大事ですよね。( ◠‿◠ )
ドクメンタの開催地カッセルは人口高々20〜30万人の都市です。
一方、日本の芸術祭はというと・・・
それほど政治・社会的メッセージは強くはないですよね。
日本の芸術祭を見てみると、地元の歴史や風景に即した作品などが多い
ように思います。
おそらく地域の活性化や再生を促す役割を果たしているのだろうと思われます。
そして、決して市民による議論を促す役割を担っているとは言いがたいですね。😅
この日本とドイツの違いは前提とする社会構造や歴史、国民性などが異なることに
よると思われます。
ただ、社会的課題について他者と自由に意見を交換するきっかけが身近にたくさん
あれば、新たな発想は生まれやすくなることでしょう。
そういう意味で芸術祭は議論しやすい雰囲気を作ります。
私は、日本の芸術祭がこういう風に熟成していくことを
望んでいます。
これこそが芸術祭の真価だと思います。
しゃねげど。笑
最後に一冊、本のご紹介です。
『ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか』(学芸出版社)
それでは皆さま今日も良い1日を。