こんにちは。S&Tの上村です。昨日も溜まっていた事務処理やらお客様とのお話しやらアーティストとの打ち合わせなど大忙し。やっと個展が一つ終わったのでちょっとお休みしたいというのが本音ですが。😅
さて、先日イヤイヤ見に行った展示があまりにも酷すぎてガッカリしたという話は皆さんもまだ記憶に新しいことかと思います。それ以上ひどい話はそうそうないだろうと思っていましたが、昨日さらにガッカリしたことが。
ちょっと前に世界にコンプリートのセットが4つしか確認されていない某大御所のアーティストの作品が某施設にあると聞いて『それは是非みたい。』とツテを辿って閲覧の要望を出していました。
ところがアートディーラーになんて商売の匂いのするところには見せられないと断られました。それどころかよくよく話を聞いてみるとほとんどの方に見せないということでしたが何のためのコレクションやら。(T ^ T)
およそ30年前にやはり地元に素晴らしいものをということで収蔵に尽力した方も見せてもらえないような状態だという話を聞いてさらにガッカリ。これまで2度しか公開していないということ。その上今後公開予定が今のところないそうです。
つい先日鳥取県の新しい美術館のウォーホルが話題に上っていましたがそちらはまだ目玉で展示しようというのだから救いがあります。ところが今回の某施設は展示すらままならないまま素晴らしいコレクションをただただ保管しているだけ。仮にも公共の施設ですよ。これが日本のアートに対しての意識なんだと。キュレーターのレベルなんだ。と心底ガッカリしちゃいました。
私なら恒久展示してルーブル美術館のモナリザのように集客の目玉としますけどね。もしそんなふうに展示したら日本中どころか世界中から見に来る人が押し寄せると思いますが。そのくらいの価値のある作品です。キュレーターと名乗っているだけで本当は何にもわかっていないんじゃないか?と疑問に思っちゃいます。これが日本の地方の公共施設の実態なのかと心底ガッカリです。
『宝の持ち腐れ』という言葉がこれほどしっくりきたのは私の人生において初めてでした。おそらくこういうことが日本のあちこちであるんだろうなと思うと何だか悲しくなりました。
どうしたらこの国は変わるんだなどとたいそうなことは言いたくありませんが、本当にひどい国なんですね。これじゃ先日ブログで書いた展示が『これがアートでございます』と大きな顔をするはずです。滑稽な国ですね。
ただただ無力感を感じた出来事でした。
最近そんなことばかりですが、悲観しなくても大丈夫です。S&Tでは小さいながら本当に素晴らしい作品が続々入荷しております。Marcel van Eedenの作品もその一つ。昨日からひっそりと公開しておりますのでご興味ある方はぜひ遠慮しないで見に来てください。
Marcel van Eedenは1965年生まれの作家です。彼は、現在活動している最も重要なオランダの芸術家の1人と見なされています。 90年代初頭以来、彼は絵を描くという行為に執着してきました。彼は、25年間、ほぼ毎日絵を描き続けています。彼は彼の全体的なプロジェクトを「私の死の百科事典」と呼んでいて、彼の誕生前の時間は彼の死後の時間と同じくらい重要であると考えており、それぞれの人間の存在は世界のより広い歴史の中でほんのわずかな時間のほんの一部を構成しているという事実を示しています。彼の作品はポンピドゥーセンター(パリ)やMoMA(ニューヨーク)などたくさんの主要な美術館に収蔵されています。
今回入荷している作品ももちろん「私の死の百科事典」とされている毎日描いている作品の中からです。
現在ゴッホ美術館で企画展が開催されています。オランダに行かれる方はぜひお立ち寄りください。
https://www.vangoghmuseum.nl/en/visit/whats-on/exhibitions/the-gasworks-van-eeden-and-van-gogh
それでは皆さん本日も良い1日を。