おはようございます。S&Tの上村です。

私がまだ社会に出たばかりの頃のお話しです。

当然社会に出たばかりのど新人ですから、右も左もわかりません。

それがいきなり、色々な意味で最先端の方達が集まるギャラリーで働き始めたのですから

びっくりすることばかりでした。そして出会う人たちもかなり強烈な個性を放っていました。

毎日が刺激的で退屈することはなかったように記憶しています。

そんな中で印象に残った人たちのことを書いてみたいと思います。

まだ働き始めて日も浅く、接客も頼りない感じの頃のお話です。

一台のBMW(当時一番高いやつ)がギャラリーの前に停まりました。

私の上司のおばさま方が、接客の練習だからと私に接客を任せてくれました。

全面ガラス張りのギャラリーで、外の様子は丸見えでしたので、どんな方が

ご来店されるのかは全て中から見えていました。

BMWを降りてくるお客様をみて、私はビビりました。

品の良い上質のジャケットを身にまとい、オールバックの髪に白いチノパン。

芸能人かおしゃれな会社の社長さんかといった雰囲気を醸し出していました。

そんな人を相手に説明ができるのだろうかと、正直逃げ出したかったですね。笑

その時やっていたのが「ロバート・メープルソープ展」だったと思います。

一通りご覧いただいて、大きな粗相もなくお茶をすすめていろいろなお話をしました。

なぜこの企画展を見にきたのか聞いたところ、「か◯◯ちゃんがね、この前メープルソープの

写真を買ったって言うのよ。か◯◯ちゃんが見たほうがいいってすすめるから来てみたんだ。

か◯◯ちゃん何枚か持っているんだよね。」とおっしゃいました。

か◯◯ちゃん? ん? と思ったところで、私は名刺をお渡しするのを忘れていたことに

気がつきました。

名刺を交換して、私はまたまたビックリ!!!!!!!!!!!!!!

冷や汗が吹き出て来ました。^_^;

名刺には大手のプロダクションの名前と代表取締役の肩書きが。

それより何より、真ん中には明らかに女性の名前が!!!

そうなんです。私、ずっと男性だと思って接客していたんです。

言い訳ではないですが、どこからどうみても男性だったんです。

会話の中で粗相がなかったことを神様に感謝しました。

さらに名刺の裏を見ると、その事務所の所属タレントなのでしょう、

そうそうたる芸能人のお名前がありました。

その中に「か◯◯ちゃん」の名前もあり「か◯◯ちゃん」が超有名女優のMさんだと

わかりさらにビックリしたのを覚えています。

今でこそジェンダーレスなどという言葉もあり、社会的な認知も進んできましたが、

当時はまだまだ理解のない時代です。

そんな中で堂々とオープンにしつつ成功している姿は、素直にカッコいいと思いました。

その方がいらっしゃったのが「ロバート・メープルソープ展」というのも意味深ですね。

私は、社会人一年目からそういう特殊な環境で育ったので、あまり、女性、男性といった

区別がありません。ある意味ジェンダーレスです。

いまだにニュースなどで時々女性差別の問題を見ると、いまだに何をしているだろうかと

呆れますね。

しゃねげど。笑

それでは、皆さま今日も良い一日を。