こんにちは。S&Tの上村です。昨日、一昨日と日本の某アートオークションがありましたがきっと皆さんもご覧になっていることでしょう。相変わらずの活況ぶりで羨ましい限りです。
トンチンカンな落札価格でやはり私には謎が多かったですが、活況なのは良いことですね。(笑)
円安で海外のアーティストが多い私は苦戦しておりますがなんとか頑張っています。😅
海外のオークションも絶好調ですが、先日もクリスティーズでジェフ・クーンズの彫刻≪Balloon Monkey (Magenta) ≫が1000万ポンド(約1260万ドル)で落札されたのは記憶に新しいところですね。
ただ、これが日本のオークションとちょっと違っているのは、ウクライナ兵の医療支援のために同国出身の大富豪、ビクトル&オレナのピンチュク夫妻が出品したということです。
購入したのは欧州の別のメガコレクターで、アート界での更なる慈善活動の必要性を訴えました。
素晴らしいですよね。🤗
日本のコレクターもこういう気持ちを持った方が増えればアート界もより良くなるかもしれませんね。
様々な思惑が交差し中々単純にはいきませんが、もっと単純で純粋な世界になれば良いなと思うのは私だけでしょうか?
というわけで本日の1品です。
トーマス・ルフがコレクションしていた新聞記事の写真を再構成したシリーズから。このシリーズ私は好きなのですが日本ではあまり人気がありませんね。😅
新聞や週刊誌に掲載される写真には、通常、説明のための言葉が付けられていますが、ルフは、自ら収集した掲載写真からすべての文字要素を取り除き、画像のみを原寸幅の倍に引き伸ばしています。画像が本来の機能や文脈から切り離されたとき、私たちはその画像をどのように「読む」ことができるのでしょうか。また、このシリーズが1990年から91年にかけて制作されたことは、1989年のベルリンの壁崩壊やその翌年のドイツ再統一と無関係ではないでしょう。
トーマス・ルフは、世界で最も重要な現代美術家の一人です。彼の作品は、イメージに含まれる情報に関して、写真の手段と可能性を考慮したアプローチによって現在に至るまで特徴付けられています。ルフは1979年から、肖像画、建築写真、報道写真、ヌードなど、さまざまなジャンルの写真を分析し、その視覚的な表現力を考察しています。そのテーマの広さは、自ら撮影したアナログやデジタル露出の写真、コンピュータで生成した写真に加え、科学的なアーカイブからの写真、新聞や雑誌、インターネットから引用した写真の再加工など、使用する手法の多様さにも表れています。
「カメラの前にある現実は一次的な現実であり、そのイメージは二次的な現実であり、さらにその先にはあらゆる微修正が可能である”。 〜トーマス・ルフ
ここのところなぜかルフが気になっています。(笑)
近いうちにS&Tでもルフの作品が見られるかも(?)
最近の訳のわからないアーティストの高騰ぶりから比べると『えっ?』と思うくらい手が届く価格でゲットできるので興味がある方はぜひ。
お問い合わせはもちろんS&Tまで。