こんにちは。S&Tの上村です。ここのところのアートブームにのっかりアートじゃないものがアートとしてたくさん販売されているのを見るとバブル期の盛り上がりを思い出して嫌な気持ちになります。(T . T)
また何故か日本人はそういうのが好きなのか、それとも販売側の営業が上手なのか、どういうわけかそういう作品が売れているんですよね。^^;
あれをアートとして認知されてしまうということはちょっと許し難い。せめてアートじゃなくてインテリアだとか趣味だとかハッキリ示してくれればいいんですが。
当然S&Tではそんなものは一つたりとも扱いませんが。
さて、石塚由美子個展『ヘンシン』に続きこちらも近づいてきました。
そうです。S&Tでもお馴染みの平野千明さんの個展『Modern allegorism(現代の寓話)』が始まります。
その全貌がいよいよ見えてきましたよ。\(^o^)/
【アーティストステートメント】
Modern allegorism 制作における私のテーマは切り崩すこと、紙という平面媒体を切り開き、切り出すという行為そのものにあります。 「切り開く」「切り崩す」「切り出す」という行為性が持っている意味は、それを人類の歴史に照らしながら見た場合には非常に寓意性を持つと考えています。 森にせよ山にせよ、それが盆地であれ谷口であれ関係なく、それら場所としての自然は人類史において開拓の対象となり、やがて都市つまり人間によって新しく作り替えられ機能を付された別の領域へと変貌してきました。 自然から都市、そして人工への形態変化。 それは人間を語るためのキーワードの一つであり、そこにおける重要な要素の一つが「切り開く」という行為性にあり、そしてその行為は空間/場所を新たに生み出していくことだと私は考えています。 私の活動はその「ヒトの歴史」を作品を通してアレゴリー化することであり、私は紙を切り崩し、紙の表面にイメージをつくり出しますが、それはそのまま人間と自然の関係性についての寓意になります。 つまり、私はペーパーカットによって人類の歴史をなぞっています。 私の作品と制作はすべて人間と何かの関係にまつわる寓意性を孕みます。 これまでの制作では都市や機械をモチーフにした作品によって人間と自然、自然と機械、自然と都市の関係について言及を試みました。 今回の個展のコンセプトにするのは「人間と歴史の関係」です。 マリリン・モンローやチェ・ゲバラは歴史的な、おそらく一般には偉人に分類されるタイプの人物です。史書に残り、評論がいくつも行われ、そして映画や小説などのコンテンツの題材として応用される偉人のイメージは実際の彼らの姿、つまり事実とは必ずしもイコールではないと考えます。 歴史を眺めかつ理解する時、ひとは様々な解釈を施し、脚色を加え、偉人という1人の人物にまつわるイメージを創造していきます。 すなわち、そこにはもともとの事実を切り崩し、新たに意味を与えていく工程があるのです。 今回の個展ではそうした「生きている人々と死んでしまった人々」の関係における、イメージの創作について言及しています。私たち生きている者が、もうこの世にはいない人々の事実を切り崩し、作り替え、新たな神話として生み出して語り継いでいくという、その関係性を作品にしました。 そして歴史を題材に選んだのは、私が使用している紙というマテリアルが史書のそれに使われているからであり、作品のマテリアルとの相性が良いと判断したためです。 繰り返して言えば、私の作品は「紙を切る」という行為に貫かれており、同時にそれは「切り開く」という、世界と人間の関係を物語るための行為でもあります。 人間は、そして人間だけが自然を切り崩すことによって場所を獲得していきました。他の動植物と異なり共生ではなく、人間だけの固有の場所を生み出してきました。 そのあり方は今日となっては様々な分野の問題を孕みます。その善悪について諾否を直接的に下すことは私の仕事からはずれてしまいますが、あくまでも私がしている仕事は人間の一側面を物語ることであり、その姿について寓意化をしながら造形に落とし込み、見つめることにあります。 私の作品のテーマは、つまり人間を取り巻く世界とそことの関係を、「切る」という行為性を通して探っていくことにあります。 〜平野 千明
7月20日(火)より始まります。😀
今回は全て新作でこれからの平野千明の方向性を示すものになるだろうとご本人が言っていましたよ。🎉
ここ山形が初披露となります。そして、8月にはそのまま東京の企画展でお披露目されるそうですよ。
詳しくはY&ギャラリーのHPをご覧下さい。
皆さんお見逃しなく👍