こんばんは。S&Tの上村です。いよいよ作家のご紹介も6人目。今回ご紹介する作品は満を辞しての登場です。

goze #1 / 山田 茂義
写真
630×440mm(シートサイズ)

瞽女(ごぜ)さんは、三味線を奏で村から村へ巡業する「盲目の女旅芸人」です。

古くは室町時代ごろから江戸時代まで、全国各地に存在したといわれますが、明治時代になると新潟県の長岡と高田の二つの地区だけに残りました。当時の雪国新潟では、幼い子供が麻疹などの感染症をこじらせて弱視や失明にいたる例も多かったようで、それも理由のひとつではないかと考えられています。

目の見えない彼女たちは仲間の肩や背負った荷に手を添え、縦に連なって、杖を頼りに風雪の山々を越える。過酷な運命でありながらそれを恨まず、ときに明るく陽気な、ときに哀しく切ない唄で人々に娯楽と癒しを与え、芸を支えに生きたといいます。

そんな瞽女さんの姿になぞらえ、この作品のタイトルとしました。

<Art Shop デビュー作家>
【山田 茂義(Shigeyoshi Yamada)】

とうに時代遅れの古いカメラに、組み合わせの妙を知るべくフィルムを選び、名前もない風景を探しに行く。すると、どんなものにも他に代えがたい魅力があり、ハッとする瞬間があると知ります。その瞬間を切り取って「これ、いいでしょう?」と見せたい。
それは、カメラと少しの好奇心を持って出掛ける冒険のようなものです。

そんなフィールドワークが、現在のスタジオ八百萬へとつながっています。
すべての人には違った才能や魅力が同じだけある。多様な人が認め合い、ゆるくつながる場があったら、そこから何が生まれ、社会にどう影響するのか。そんな社会実験がスタジオ八百萬です。

<略歴>
1992年 – 2013年 画像認識技術 電子回路設計
2013年 – 現在 東北芸術工科大学 聴講生
2014年 – 現在 スタジオ八百萬 運営
2016年 – 現在 表具師見習い

スタジオ八百萬のお客様は皆さんよくご存知のオーナーの山田さんです。いよいよアーティストデビューです。今回のこの作品は構想ん10年の力作です。またプロフィールにも書いている通り、もう7年も東北芸術工科大学の聴講生なんですよ。

この作品は非常に素晴らしいと個人的に思います。デビュー作家だからと侮ることなかれ。そんな彼の作品はじっくりと見て欲しいなと思います。