こんにちは。S&Tの上村です。昨日、アメリカのサンフランシスコ美術館が所蔵していたゴッホの贋作とされてきた作品が、再鑑定の結果、真作だったことが分かったというニュースが流れていました。

この作品は1960年にある夫婦から寄贈された「果物と栗のある静物(Still Life with Fruit and Chestnuts)」(1886年)。ゴッホの作品ではないかと思われていたものの、複数の専門家から真作ではないと鑑定され、ゴッホの総作品目録には掲載されてこなかったそうです。

ゴッホ美術館の広報担当者によると同美術館の専門家が昨年末、ゴッホの手になるものだと結論づけたそうです。さらに、静物の下には女性の肖像画が描かれていたことも新たに判明したんですって!

「ひまわり」などの作品で知られるゴッホですが、生前は作品がほとんど売れなかったため、貧乏でした。だからキャンバスをよく使い回していたんですね。だから、下に他の絵が出てきたことでより本物っぽいですよね。

ゴッホ美術館には毎年200点ほど真贋の鑑定依頼が舞い込むそうです。しかし、1988年以降真作と認められたのはわずか14点なんですって。

この真贋騒動で去年の10月に公開された『世界で一番ゴッホを描いた男』というドキュメンタリー映画を思い出しました。

有名画家のレプリカ制作を主な産業としている、中国・深圳市近郊の「大芬(ダーフェン)油画村」という村があるそうです。この映画は、そんな大芬で生きるゴッホの複製画家・チャオ・シャオヨン(趙小勇)が、“本物のゴッホの絵を見る”という夢を叶えるため、オランダのアムステルダムを訪れるまでを描いたドキュメンタリー映画です。

そんな村があること自体信じられませんが、それが産業として成り立っているなんて中国らしいといえば中国らしいですね。(⌒-⌒; )

この村なんと世界の約6割の贋作が制作されていると言われていて、その総額は2015年で6,500万ドルを超えているそうです!!!!!!

まさに驚きです。!(◎_◎;)

その村のゴッホの複製画家チャオ・シャオヨンが主人公のこの映画ですが、日々贋作を作る中で彼は本物の絵画からゴッホの心に触れて何か気づきを得たい、今後の人生の目標を明確にしたいという思いと共に、ゴッホ美術館へ行くという夢を抱きます。彼は「自分はゴッホの複製画制作に命を懸ける職人なのか?あるいは、ゴッホの生き様を今に蘇らせるアーティストなのか?」という葛藤を抱きます。そしてついに夢を叶えるためにアムステルダムへ!彼は、そこで一体何を思ったのか。

中々面白いこの映画、ご興味あれば是非。

名作には真贋がつきもの。様々なドラマがあり、それもアートの面白さなのかもしれませんね。