こんにちは。S&Tの上村です。昨日ある方からお電話頂きました。なんのお話かと思ったら先日私がブログで書いた展示会のお話。時間が取れたので行ってみたらあまりにも内容が酷過ぎて悲しくなったということ。そのやるせない気持ちを誰かに聞いて欲しかったということでした。(笑)

その方にはなんの展示会かは言っていなかったので、それが私のブログで書いた展示会だということはもちろん知りません。

私は少し嬉しくなりました。なぜなら、その方がS&Tでいつも本物を見ているうちにきちんと正常に判断できる目を持っていたからです。理屈ではなく、本物を見ていることで良いものとそうじゃないものがしっかりわかるようになっているんですね。

その方に聞いてみるとそういうことは今まであまりなかったと言います。しかし、私はそういう経験も必要なことなんだと思いますよ。

以前にも書きましたが、アートが好きでアートを鑑賞しているといつか本物に出会う時がきます。作品を前にして感動で震えるような経験をしてみたり、今回のような真逆の経験をしてみたりするはずです。そうすることでいつの間にか本物を肌で感じるようになっています。

そこにさらに知識が加わることでさらにアートの世界が広がっていきます。そして気がつくと自分がどっぷりとディープなアートの世界にハマっていることに気がつくんですね。

その方は、幸か不幸か本物を知った以上もう元の世界に戻ることはできませんね。(笑)

というわけで本日の1品です。

Untitled (The race progressed between the monotonous security of the known and the draed of doing what had been done before…), 2017 / Raúl Cordero
oil, wax and polyester on canvas
195 x 250 x 3.8 cm

S&Tではもうお馴染みの Raúl Corderoの作品です。なが〜いタイトルのこの作品ですが、彼の作品はこのタイトルも作品の1部です。よ〜く見てみると作品中にドットでタイトル中の文字も描かれています。ちょっと実物を見ないとよくわかりませんね。😅

拡大してじっくりご覧下さい。もちろんお問い合わせはS&Tまで。