こんにちは。S&Tの上村です。美術館や展覧会のカタログを見ていると最後の方のページに作品のタイトルや制作年などの他に所蔵と書いているのをみなさん見たことがあると思います。

当然と言えば当然なんですが、美術館などの展覧会は実際たくさんの作品を貸し借りして行われているんです。大体は美術館同士で貸し借りする場合が多いようですが、中には個人蔵のものもあるのでそういう場合は個人から借りて展示することになります。

ちょっと下世話な話になりますが、『そんな時のレンタル料ってあるのかな?』なんて気になったことありませんか?

例外はあるようですが、基本的にはそういうものはないんです。ただし、展示する作品の輸送量や保険などは借りる側が負担します。基本的には何十億もする作品に対してもそうなのですが、作品の評価額に応じて保険の金額が変わってくるため、作品によってはレンタル料はタダでもそれ以外の価格がえらい金額になります。(⌒-⌒; )

みなさんもたくさんのコレクションが増えてくる中で将来的に美術館などから引き合いがあるかもしれません。もうすでに引き合いが来ている方もいらっしゃるかもしれませんね。\(^o^)/

では貸す方のメリットはなんなのか?

もちろん数多くの人に作品を見てもらえるわけですが、それ以外にも貸したことを機に新発見があったり、純粋に知らなかったことを教えてもらったりとか、具体的なフィードバックがたくさんあるようです。特に展覧会の切り口によっては調査する部分が違うため「えー、そうだったの!?」と自分の知らない新たな発見があったりもします。(笑)

もちろん作品にとってもたくさんの良いことがあるんです。展示されることで評価が上がることもあるし、また直接評価に繋がらなかったとしても、どの展覧会に出展されたかというのは、その作品に蓄積されていく来歴になっていくので大切な情報になっていきます。

ということはある意味作品を貸し出すことは作品を育てることにもつながっていくんです。

美術品はその性質上お金を出して買ったとしてもそれはあなただけのものではなくて人類の文化遺産なんです。そして、それを一時的にみなさんが所有する権利に対してお金を払っているんだと考えるとこういう美術館に貸し出したりということは機会があれば積極的に行って欲しいなと思います。

ま、もし私だったら貸し出し依頼が来るような作品を持っているだけで鼻高々で喜んで貸しちゃいますね。(笑)