こんにちは。S&Tの上村です。今年の3月から「ARTGATE(アートゲート)」なるサービスがスタートしています。

これはアート作品を共同保有することができるプラットフォームサービスで日本初だそうです。

ざっくり言うと個人では所有できないもののみんなで一つの作品を所有してみませんか?というもの。

『アート作品を保有することに対してお金を払う文化が、日本にもしっかりと根付けば、将来のアーティストを育てることにもつながるのではないか。』というコンセプトがあるようです。

このコンセプトには私も賛成なのですが、果たしてこのオーナー制がそういう文化を育てることになるのかどうかは私は疑問です。(あくまで個人の意見です。)

なぜなら、共同所有というと当然自分のうちに作品はやってきませんので所有した感がないと思うのです。また、オリジナルが高額で所有できないなら版画でもいいわけです。そういうハードルを下げていかない限りアートを購入する文化が根付くとは思えないのです。オーナー制ではそういう購入した感はあまりないように思います。

共同所有という考え方なら、そもそもアートは人類の文化遺産なので人類全ての遺産なんです。だからわざわざ共同所有にお金を払わなくてもと思っちゃいます。本来の考え方はアートを購入しても一時的にその所有権を買っているんだというのが本来の考え方なんだということを知って欲しいなと思います。

このことを考えていたら、以前ブログにも書いたと思いますが、とある保険会社のオーナーの話を思い出しました。そうです。あれです。

誰もが知っている名画を購入したとある人物が、遺言書に自分の死後一緒に墓に埋めてくれと書いて、『人類の遺産を埋めろだなんてとんでもないことだ!』と世界中から非難を浴びた出来事です。これで日本人は文化レベルが低いと世界中に思われちゃいました。^^;

こういうビジネスを発想してしまうこと自体アートを理解していないんではないかと思ってしまうのは私だけでしょうか?

とは言えモナリザが共同購入できるとしたらちょっと考えちゃいますけど。(笑)