こんにちは。S&Tの上村です。昨年のPower100(アート界において世界で最も影響力のある100人)の見事1位に輝いたのが世界最大手のギャラリー「David Zwirner」の経営者David Zwirnerだったのは記憶に新しいところです。

こういったメガギャラリーが市場の中枢を占める中、中堅のギャラリーは苦戦を強いられています。近年、アート市場は極端な商業化と競争化が進んでいて、これがギャラリーの閉店や移転の連鎖を生み出しています。それに伴ってますます大手と中小ギャラリーの格差が広がっているのです。

最近のコレクターは個人のギャラリーを訪ねて新しい才能を発見するよりも、メジャーなディーラーが取引するお墨付きのお宝作品に関心があるという報告も出ています。有名作品であれば、インスタグラムなどオンラインで画像を見ただけで、実物を見ずに作品を購入することもあるが、一方で中小のギャラリーが契約する新進アーティストに投資しようという気はあまりないそうです。

これは統計でも裏付けされていて、困った現実です。(⌒-⌒; )

ニューヨークなどではかつては週末になるとこぞってギャラリーに足を運ぶお客様が押し寄せたそうですが、現在は目に見えて減ってきているそうです。これは人びとがソーシャルメディアで美術品を買うようになったことと、毎月のアートフェア疲れが原因だと言われています。

『じゃ一体誰が現代アーティストを育てるの?』ということです。

本来、私のようなアートディーラーが目指しているのは、アーティストと密に協働して、彼らのキャリアをていねいにマネジメントし、彼らの作品が美術館や公共施設などに所蔵されることを目指すことです。しかし、複数の都市にギャラリーを所有するような大手に、そんな個人的ケアを必要とする仕事ができるだろうか?と疑問が上がります。ディーラーの中には「彼らは、アーティストを理解しているんでしょうか? アーティストは育ててもらうことが必要なんです」という人もいます。私もそう思います。

現在アート市場がそんな風になってしまっているのも現実です。そして、私のような弱小アートディーラーがどうやって生き残っていくのかは現在のものとは違うやり方を模索していくことだろうと思います。

アートショップ もその一つの可能性だと思っています。一緒にアートの未来について考えてみませんか?