こんにちは。S&Tの上村です。子育て中の皆さんもそうじゃない人もよく『子供のうちから本物に触れた方が良いよ。』なんて耳にしたことがあると思います。英語を何歳から学ばせようとか熱心に考えている親御さんもたくさんいらっしゃいますよね。実はアートも同じなんです。ただアートの実用性がわからないために、「“本物”ってなに?」とか「アート分野なら美術館に行けばいいの?」とか、「こどもに絵を見せても、わからなくて飽きてしまうのでは?」という理由で、あまりアート教育に積極的じゃない人がいるようです。それどころか、保護者自身が「アートって難しい・・・」と消極的になっていることもあるようです。

でも、本当は素直な感性を持つこどもたちは、大人よりアートを楽しむことが得意なんです!そして、アートに触れることで伸ばせる感覚や能力もたくさんあるんですよ。

アート鑑賞には1+1=2のように決まった答えがありません。世界で一人だけの『自分だけの感じ方』があるのがアートの面白さです。自分がどう感じるかという感覚を育てていくことが大切です。そして、何よりも大切なのが、自分の感情が動いたものについて、それをどう人に伝えるかということが子供の成長に大切なんです。

例えば、何かのアート作品を見た時に『これはなんだ?』とびっくりしたり、『良いなぁ』と思ったり、違和感を覚えたりするはずです。これは大人も同じですよね。そういう言葉にできない感情を呼び起こすのがアートの魅力なんですが、その感情が沸き起こった時にその気持ちを受け止めてくれる誰かがそばにいると、その気持ちに蓋をしないで表現する機会が生まれます。そこで初めて自分は一体何が好きなのかに気がつくことになるんです。自分の感じ方を誰かと共有するということは、その子にとって自信となり、また自分を肯定することにつながるんです。

これは、例えば将来進路を選択するときなど、何かを選び取るときに大いに役にたってきます。 素直な感性を持っているうちに、“本物”にいい形で出会うことが、こどもにとっては大きなチカラになるんです。

だからこそ、本物に触れる必要があるんです!

アートの入り口の一つとしてのオススメは絵本です。しかし、この時選び方にちょっとした工夫がいります。それは、子ども向けに描かれた絵の本だけでなく大人が本気で社会に向けて描いたアート絵本なんかも積極的に見せるということです。子供向けの絵本だけ見ていると、アート作品を見た時に『これは違う。』と初めから拒否してしまうことがあるので偏らずに色々なものを見せるということが大切なんですね。あとは、子供の感情が動いた時にその気持ちを子供と話してみてください。それが鑑賞の力をつけることになります。絵を見てその感情を伝えるということは言語活動も豊かにするので賢くなりますよ。

アメリカやイギリスでは、英語が母語でないこどもたちの英語の発達のために、絵を使って対話をする鑑賞のワークショップなども行われています。アート作品を通して言葉が出やすくなることも実証されているそうですよ。

ではいざ美術館に行ってみましょう!\(^o^)/

デビューは30分集中できるようになってからが良いでしょう。また、「美術館に連れていかれる。」ではなく「美術館に一緒に行きたい。」と前もって気持ちを作ることも大切です。そして何よりこれが大切。「お腹が空いた。」とか「眠い。」とかの身体的欲求を満たしてから連れていくことですね。笑

「こども連れは迷惑がかかるのでは?」と心配しないでマナーを学ぶ場だととらえれば全然平気です。そもそも美術館は社会教育施設として運営されているので、本来誰でもが利用してよい場所なんですから!

ぜひ、親子で美術館に足を運んでみてくださいね。親御さんも知らない子供の意外な才能が花開くかもしれませんよ。そして、そんな子供のいる国の未来はきっと明るいでしょう。