こんにちは。S&Tの上村です。時々亡くなったご家族の遺品などでなんか絵が出てきたから見てほしいなんて頼まれることがあります。もちろんS&Tではお取り扱いがないので一応見るだけは見てみますが大抵は…。😅

昨日もそんなご相談が。

一番多いのが昔のあしき習慣なのかステータスなのかよくわかりませんがデパートの外商さんから買ったと言われるものが多いですかね。残念ながらセンスがありません。😓

見ているとダントツで多いのが日本画(?)と思われる作品の版画。エディション200くらいのものがほとんどですがこれが本当に粗悪で価値ももちろんありません。調べるとネットで数千円から1万円くらいで売られているものがほとんど。

大体のものは箱が立派なんですよね。(笑)

買った時の値段を聞くと20〜30万円くらいだと大抵の方はいいます。

だから日本人のコレクターさんが版画など極端に嫌がる人が多いんでしょうね。(T . T)

日本画などのこういうイメージが版画のイメージを悪くしているんですが、本来は版画だろうがなんだろうが価値のあるものは存在します。

S&Tなどでお取り扱いしている海外のアーティストの作品なんかはオリジナルとはちょっと違った趣向を凝らしていて、版画自体がオリジナリティを持っているものがほとんどです。だからこれがオリジナルと言ってもいいくらいの作品なんですよね。

残念ながらその辺を混同されちゃっている方が多いような気がします。

先日マシュー祭りでもご覧いただいたMatthew Day Jacksonの作品なんかはわかりやすく、版画なんですが様々な手が加えられています。価値も十分あると言えるでしょう。

何点かはまだご覧いただけますのでそちらを見ながらそんな話をしにいらっしゃいませんか?

じっくりご説明しますよ。🤗

というわけで本日の1品です、何度かご紹介しましたがこちらは実物をご覧いただけますよ。

LIFE, June 5, 1944 /Matthew Day Jackson
Rust (iron oxide) transfer and wood block on Rives BFK white
76.2 × 53.3 cm
Edition 25

マシューの作品全般にそうなのですが、この作品は実際に実物を見ないとわからないです。木片が貼ってあったり、インクではなくて酸化鉄で印刷されていたりと非常に様々な仕掛けがしてあります。

酸化鉄ですよ!!!!!!!

この意味も考えれば考えるほど面白いんですよ。😀

この作品はメトロポリタン美術館やホイットニー美術館にも収蔵されています。

Matthew Day Jacksonは1974年生まれのアメリカ人アーティストです。彫刻、絵画、コラージュ、写真、ドローイング、ビデオ、パフォーマンス、インスタレーションなど、多面的な実践を行っています。

彼の芸術は、人間の思考の進化、フロンティアの致命的な魅力、人間が技術の進歩に置く信仰などの大きなアイデアに取り組んでいます。特に、彼の作品はアメリカンドリームの神話に取り組み、失敗したユートピアのビジョンを通して創造、成長、超越、そして死の力を探求しています。

彼にとって、美しさはしばしば荒廃と結びついています。彼の作品は、彼が「恐ろしい」と呼ぶ概念を探求しています。人がすることはすべて、美しさと恐怖の両方をもたらす可能性があるという信念のもと制作されています。

ご興味ある方はS&Tまで遠慮なくご連絡ください。